太田愛さんの前作「犯罪者」が超絶面白かったので、2作目(続編)の本作「幻夏」も読んでみました。
前作に登場していた相馬、鑓水、修司が本作にも登場していて、この三人のキャラが大好きだったので再会できて嬉しかったです。
本作は、冤罪事件の被害者とその家族の物語です。
相馬の小学生時代の友人である尚が、川辺にランドセルを残して失踪。そして、その23年後、鑓水の経営する興信所に尚の母親の香苗から「尚を探して欲しい」という依頼が来る・・・ということから物語の幕は開きます。
物語が進むにつれて、冤罪事件の被害者を父に持つ尚が歩んできた半生が明らかになってきて、読んでいる途中で何度も涙が止まらなくなりました。
冤罪事件は、その被害者だけでなく、その家族の人生まで狂わせてしまいます。たとえ死刑にはならなくても、社会的には抹殺されるようなものですから。絶対に起こってはならないと思いました。
本作は、ミステリーとしても秀逸で、途中であっと驚く展開があってからは、ページを捲るのももどかしいくらい読むのを止められなくなりました。
そして、クライマックスでは大号泣。涙、涙で文字が読めない状態でした。
最初から最後まで本当に素晴らしい作品でした。
号泣必死の警察小説&探偵小説&社会派ミステリー&ハードボイルドです。
やっぱり太田愛さん、天才だわ~~。