ずっと前にP・ハイスミス著の原作「キャロル」を読んですごく感動したので、
いつか映画の方も観たいと思っていて、たまたまAmazonプライムで見つけたので、
視聴してみました。
デパートの女店員テレーズと人妻キャロルの恋愛を描いた映画です。
テレーズ役のルーニー・マーラもキャロル役のケイト・ブランシェットも
原作のイメージとぴったりで、これは、原作ファンとしては、かなり嬉しい点です。
また、二人の演技力も素晴らしくて、心情の変化が表情や仕草によってとても上手く演じられていました。
全体的にスローテンポなんだけど、退屈することなく最後まで引き込まれて観ていました。
・・・でも、やっぱり原作にははるかに及ばない・・・かな。
というか、原作の魅力がほとんど失われているように思いました。
原作では、キャロルに出会う前のテレーズの生活や、キャロルに出会って惹かれていき
ラストシーンに至るまでのエピソードやテレーズの心情の変化が
かなり丁寧に描かれていました。
映画の方は、ストーリーが性急に進みすぎていて、唐突な感じがしました。
また、原作では、P・ハイスミスの持ち味であるミステリアスな雰囲気も盛り込まれて、
ストーリーが一層奥深いものになっていたんだけど、
映画の方は、このへんの原作の魅力があまり出ていなかったのはかなり残念です。
ラブストーリーが苦手な私でも、原作を読み終わった後には「恋愛って素敵だな」って
いう気持ちになったほど、原作は傑作だったんだけど、
映画では心を動かされるほどではなかったです。
・・・とはいっても、映画の方も全く面白くなかったわけではなく、期待値が高すぎた
ので辛口の感想になってしまったかも。