昨日、母方のおばあちゃんのお見舞いに行ってきました。
本当はもっと早く行かなくては。。と思っていたのに。
なかなか時間を作ることができませんでした。

その日、母と妹と一緒に病院を訪れました。
おばあちゃんは病院のベッドで、
ただ寝ているだけの小さなかたまりのようでした。
体重は35kg。膝を折り曲げ、小さく丸まっていて、
意識はあっても、思考する能力はもう消え失せてしまっていて、
目は開いていても、この世界が見えているのかどうなのかもわからない。
そんな状態でした。

私たちはベッドのそばに行き、
「おばあちゃん。会いにきたよ」 と話しかけました。
でもその声がちゃんと届いているのか、理解しているのか、
それはわかりませんでした。

けれど、おばあちゃんは、まっすぐに私の目を見ているように思えました。

母は私に、
「おばあちゃん、あなたのこと見ているわね」 といいました。


しばらくして、妹はちょっとトイレ行ってくる、といって席をはずし、
母も「これ洗ってくるわ」といい、
私ひとりがおばあちゃんのそばに残されました。


私は、かけぶとんの中にあるあばあちゃんの手をさわりました。
私の手はあたたかく、おばあちゃんの手は体温が低めでした。

おばあちゃんのきゅっと握られた手に、私は手を重ねて、
そしてしっかりと目を見つめて、「おばあちゃん。会いにきたよ。」 とまたいいました。

そうしたら、おばあちゃんが、顔をくしゃくしゃにして満面の笑みを浮かべました。
元気だったころの、可愛らしい あの笑顔でした。

私の目から、思わず涙がこぼれました。
ぽたぽたと布団にこぼれてしまった。。

母が戻ってきたので、
「あばあちゃんが笑ったよ。」 といいました。

母は「そう。よかったわね」 と。


それはほんの一瞬の笑顔でした。

小さな奇跡のような笑顔でした。

そして私はその笑顔に救われました。







「今日という一日がどんな一日であろうと大切にしたい。

 いい日ばかりではないけれど、

 そういう日こそ、いつもよりやさしいまなざしを向けられる自分でありたいと思う。』

   (松浦弥太郎)






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病院の帰りに、母と妹と一緒に、梅の花を見に行きました。

その日はとても暖かく、梅のいい香りに包まれて、

ちょっと幸せな時間でした。








bluehour-梅の花