両親共に外面が良かったことと、

鬱病になる前の母は社交的でもあり、

近所付き合いが多い家であった。

 

専業主婦が全盛の時代だったので、

母も専業主婦だった。

決して豊かな財政では無かったのだが、

なぜだか勝手に豊かな家だと

勘違いしているご近所さんが居た。

 

母が鬱病を発症した当時は、夢子は

まだ23歳で、今よりは人間の汚さを

知らない頃だった。

 

そんな折、近所の嫌なオバサマに

道端で遭遇し、呼び止められた。

 

母が‘おかしくなった‘という情報は、

あっという間に知れ渡っていたのだ。

 

そのクソババアは夢子にこう言った。

「おばさん、夢子ちゃんのこと嫌い

だったけど、お母さんが病気になって、

あなたのこと好きになったわ」

・・・と★

 

あれから30年以上の歳月が経ったが、

忘れられない出来事となり、

人の不幸は蜜の味の意味を知った次第★

人間は、つくづく怖いな~・・・