沈香 | 徒然草子

徒然草子

様々なテーマに関する雑感を気ままに綴ったブログです。

香に関して詳しくは無いので、あれやこれやと言えないが、香の中でも個人的に最も好きなのは沈香である。そして、やはり、その中でも伽羅が最も良い。
伽羅などの沈香を焚き始めると、先ずは独特の臭いが鼻を刺激し、続いて幽かで、他の香に比べると少し心もとないものの、確実に心に染み入る芳しい香が漂ってくる。
我が国と沈香の関わりは、『日本書紀』によると、推古天皇の時代まで遡るが、それだけに我が国との関わりも古く、それ故に今や沈香の味わいは和の空間においてこそ相応しい。
特に美しい庭園に囲まれた静寂が支配する古刹の仏間などで味わう沈香は私にとっては心の癒やしと安らぎへの最高の誘いであり、ひと時だけでも古の趣味良き文人の境遇が楽しめる至福の時間である。