国生み~大国の存在の記紀総括96-天石屋と天石窟8- | 記紀以前の日本史を探す

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古事記や日本書紀、俗に偽書とされる歴史書、古代アジア各国の歴史書などから古代(紀元前1000年頃~)日本列島の真実の歴史を考えて行くブログです。

□天家重臣の行動2

 

古事記:

 

「於是天照大御神以爲怪 細開天石屋戸而内告者
 因吾隱坐而以爲天原自闇 亦葦原中國皆闇矣 何由以

 天宇受賣者爲樂 亦八百萬神諸咲 爾天宇受賣白言
 益汝命而貴神坐 故歡喜咲樂 如此言之間 天兒屋命
 布刀玉命指出其鏡 示奉天照大御神之時 天照大御神逾思奇而

 稍自戸出而 臨坐之時 其所隱立之天手力男神 取其御手引出

 即布刀玉命 以尻久米【此二字以音】繩控度其御後方 白言

 從此以内不得還入 故天照大御神出坐之時

 高天原及葦原中國自得照明

 於是八百萬神共議而 於速須佐之男命 負千位置戸
 亦切鬚及手足爪令拔而 神夜良比夜良比岐」

(是於(これお)天照大御神の為而(に)天石屋の戸を
 細く開けて内を怪しみ告げる者(は:短語)

 吾、隠れて坐す而(に)因って、
 天原の為に自ら闇を以て、亦、葦原中國皆闇、何を以て由とする

 天宇受賣者(は:短語)楽しむ為
 亦 諸(もろもろ)の八百萬神が咲く

 爾(なんじ)天宇受賣白(もう)して言う

 汝、命は貴神を益而(に)坐す

 故 歓喜して楽しんで咲く(喜ぶ?)
 

 此の如くに言い

 之(この)間、天兒屋命と布刀玉命は其の鏡を指し出す

 天照大御神之(これ)奉りて示す時

 天照大御神奇しき思い而(に)逾(いよいよ)
 自ら戸から出て稍(ようやく)坐す而(に)臨む之(この)時
 其の立ての所に隠れていた天手力男神、其の御手を取り引き出す

 即ち布刀玉命、尻久米繩(しりくめなわ?:しめ縄?)以て
 其の御後方に控え度して白(もう)して言う

 此れの内を以て従い入って不得(え)ずに還る

 故 天照大御神出て坐す之(この)時
 高天原及び葦原中國自ら照らす明るさを得る

 是於(これお)八百萬神共而(に)議して
 速須佐之男命於(お)千の位の戸を置くを負わせ
 亦 鬚(あごひげ)及び手足の爪を切り
 神、夜良比夜良比(やらひやらひき:意味不明)を抜くを令(うなが)す)

 

日本書紀第七段本文:

 

「是時 天照大神 聞之而曰 吾比閉居石窟 謂當豐葦原中國

 必爲長夜 云何天鈿女命㖸樂如此者乎 乃以御手 細開磐戸窺之
 時手力雄神 則奉承天照大神之手 引而奉出 於是

 中臣神忌部神 則界以端出之繩

 【縄 亦云 左繩端出 比云斯梨倶梅儺波】乃請曰 勿復還幸
 然後 諸神歸罪過於素戔嗚尊 而科之以千座置戸 遂促徴矣
 至使拔髪 以贖其罪 亦曰 拔其手足之爪贖之 已而竟逐降焉」

 

(是時(このとき)天照大神而(に)之(これ)聞こえ曰く

 吾 閉めた石窟(せっくつ)に居るのに比べて、
 豐葦原中國は當に必ず長い夜に為ると謂う

 天鈿女命は何れ、此の者?乎(お)(口+虐)如く楽しむと云う

 乃ち磐戸を細く開けた時に
 手力雄神が御手を以って之(これ)窺う

 則(すなわ)ち天照大神の手を引き出して奉(たてまつ)る

 是於(これお)中臣神と忌部神、
 則(すなわ)ち縄の界(さかい)を以って端が出る
 (繩 亦、縄の左の端が出ると云う、
 此れ斯梨倶梅儺波(しりくめなは?)と云う)

 乃ち請けて曰く

 復(また)還り幸(さち)勿れ

 然るに後、諸(もろもろ)の神、素戔嗚尊而(に)於いて
 科した千座置戸?之(これ)を以って罪が過ぎたので歸(かえ)る

 遂に徵(しるし)を促し、抜いた髪を以って
 其れを使い罪を贖(あがなう)に至る

 亦 其の手足の爪を抜いて之(これ)贖(あがなう)と曰(い)う

 已(すで)而(に)降り逐(おう)のを竟(おわ)る)

 

一書第二:

 

「於是 日神方開 磐戸而出焉 是時 以鏡入其石窟者 觸戸小瑕

 其瑕於今猶存 比即伊勢崇祕之大神也 已而科罪於素戔嗚尊

 而責其祓具 是以 有手端吉棄物 足端凶棄物 亦以唾爲白和幣
 以洟爲青和幣 用此解除竟 遂以神逐之理逐之 

 送糞 此云倶蘇摩屢 玉籤 此云多摩倶之
 祓具 此云波羅閉都母能
 手端吉棄 此云多那須衞能餘之岐羅毗
 神祝祝之 此云加武保佐枳保佐枳枳 逐之 此云波羅賦」

 

(是於(これお)日の神、方(まさ)而(に)磐戸を開けて出る

 是時(このとき)其の石窟(せっくつ)に鏡を以って
 入る者(は:短語)戸の小さな瑕(きず)觸(さわ)る

 其の瑕(きず)に於いては今猶(いまなお)存(ながら)えて秡(はらう)

 此れ即ち伊勢で秘めて崇める大神之(これ)也

 已(すで)而(に)素戔嗚尊於(お)
 其の秡具(はらへつもの?)で責めて罪而(に)科す

 是(これ)を以って手の端に有る棄てる物は吉、
 足の端の棄てる物は凶(あ)しき

 亦 唾を以て白の和幣(ぬさ)と為し、
 洟(はな)じるを以て靑の和幣(ぬさ)と為す

 此れ用いて解除を竟(おわ)る

 遂に之(この)神を以て逐(おい)
 之(これ)理(ことわり)で逐す

 送糞、此れ倶蘇摩屢(くそまる)云う

 玉籤、此れ多摩倶之(たまぐし?)云う

 秡具、此れ波羅閉都母能(はらへつもの)云う

 手端吉棄、此れ多那須衞能餘之岐羅毗

 (たなすゑのよしきらひ?)云う

 神祝祝之、此れ加武保佐枳保佐枳枳(かむほさきほさきき)云う

 遂之、此れ波羅賦(はらふ?)云う)