原作の壁は越えられない。映画版『永遠のゼロ』を観て思ったこと。 | 紫雨蒼雲の「はたらかなくてもいいくらし」β

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映画版の『永遠のゼロ』を観て驚いた。その内容の薄さに。

それもそのはず、五百数十ページにおよぶ原作をわずか2時間の映像に納められるはずがない。



この映画を観ようと思って以来、まずは原作をということで数年ぶりの小説を手に取った。

私は普段、ノンフィクション、それもほとんどビジネス書しか読まない。

最初はなかなかイメージを描きにくい戦闘シーンの描写に苦戦をした。

何より、話が長い。

それでも読み進めていくうちに宮部久蔵の魅力に惹かれていく。

私が一番好きなのは「阿修羅」の章だ。



期待はずれだった映画と比較して思うこと。

原作では戦闘シーンの描写が多い前半と比較して、後半に進む程に宮部久蔵についての具体的なエピソードが増える。

前半で散らされた布石が後半で回収されるからこそ、心が震わされる。

一方の映画では、前半の布石をないがしろにしながら後半部分を映像と演出で魅せようとする。

劇場の様子を見ていて、もしかしたら女性はシンパシー(共感)を感じやすいのかもしれないと思った。

しかし、自分はそうではなかった。

布石という仕込みや、起承転結の流れがないと、自分の心は震えなかった。

それとともに、テキスト(文字)ってすごいな、とも実感した。

想像を伴う表現力は、映像を遥かに上回る。

そんなテキストを自在に操るコピーライティングを身につけたいものだ、とも思った。


永遠のゼロ



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