やんちゃな猫のしつけ方 第13話 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります


 
 

(ふふっ・・
 そっか・・そうだったんだ・・・)
 

「・・・・・・」
 

俺は色鮮やかに蘇ってくる遠い記憶に
顔を綻ばせながら
閉じていた瞼をゆっくりと開け
自分の膝の上で「すうすう」と
規則正しい寝息を立てているルーンの寝顔を眺めてみる
 
確かにこうして改めてみると
記憶の片隅に残っている時あの子の面影が
かすかに残っていることに気がついた

柔らかな頬に長い睫毛の影を落としながら気持ちよさそうに眠っているルーンの唇は
ツヤツヤと紅く濡れそぼっていて
触れたら気持ちよさそうだなと思わせる
 
 
     「すぅ・・・すぅ・・・、むにゃ・・・」
 
 
 
「・・・・・・・・」
 
 
 
     「んふふっ・・・、すぅ・・・」
 
 
「・・・(笑)」
 
 
 
じんわりと温かなルーンの温もりと
相変わらずフワフワとした髪の手触りがとても気持ち良くて
俺は眠っているルーンを起こさない様に
ゆっくりと髪を撫でながら天井を見上げ
そしてもう一度瞼を閉じてみる・・・
 
そしてこれから自分はどうすればいいのかと
心静かに頭の中を整理してみたんだ・・
 
 
「ふぅ・・・」


(分かったよ・・
 もうこれ以上詮索するのはやめる
 だって、自分が王子だって分かったら・・
 ここから出て行ってしまうんでしょ?)
 
 
「・・・・・・・・・・」
 
 
(だったらこのままでいいよ
 だって俺は今ここに居るルーンが大切で
 これからもこうして穏やかな時間を
 ”2人で過ごしていきたい”・・って、願っているんだから・・)
 
 
「これから仲良くしような・・?」
 
 
     「・・・・・・、すぅ・・」
 
 
「ルーン・・・」
 
 
 
     「・・・・・・・」
 
 
 
「・・・・・、すぅ・・・」
 
 

     「うん・・・」
 
 

気が付けば俺はルーンを膝の上に乗せたままで眠りに落ちていた
 
 
そして翌朝目が覚めるとソファーの上に寝ていた俺の上には
初めてルーンがこの家にやって来た時に使った
俺の家で一番温かな毛布がそっと掛けてあったんだ・・・
 
 
 

。。。。。。。。。。
 
 
 

ー 数日後 -
 
 

俺はいつもの様に会社へ出勤し
いつもの様に仕事を熟していた
 
若くして課長になった所為もあるのか
俺の元へとやって来る仕事量はハンパ無くて
気を付けないと途中で息切れしてしまう事もある
 
だからついこの間までは出勤途中のパン屋さんでパンを買い
仕事を始める前に自分のデスクで簡単な朝食を摂っていた
 
 
でも今の俺にはもうそんな事をする必要はなくなったんだ
 
 
だって毎朝ルーンが作ってくれた朝ごはんを
2人で食べてから出勤するようになったから・・
 
ちなみに今日の朝ごはんは俺の好きなスクランブルエッグとソーセージ
そしてコーンスープと少し大きめのクロワッサンだった
もちろんルーンの好きなサラダも付いている・・
 
 
俺の前で美味しそうにサラダを頬張っているルーンの姿は本当に可愛くて
小さな口を一生懸命に動かしては俺に向かって
「美味しいね・・んふ♡」って何度も微笑みかけてくれていた
 
 

~♪
 

「おっ!?もう昼か・・
 よし!ちょうど段取りが付いたから先に昼飯行こうかな・・」
 

俺はそう思いながら自分のデスクの上に広げられた書類を
ササッと片づけた後、席を立った
 
そしてそのまま会社の近くにある喫茶店へと足を運び
いつもの日替わりランチを注文したんだ・・
 
 
。。。。。。。。。。。。。
 
 

     -お待たせいたしました、Aランチです -
 
 
新聞を読みながら料理が出来るのを待っていた俺の元に
さっき注文したAランチを運んで来てくれたのは
この店のベテランアルバイトの男の子だ
 
その子は手に持っていた料理を静かにテーブルに並べると
「あとでコーヒーをお持ちいたします」と言い残すと
ぺこりと頭を下げてから足早に去り
次々と訪れるお客さんに笑顔で接していた・・
 
俺は持っていた新聞を綺麗に折りたたみ
フワフワと湯気の立っている料理を食べようと箸に手を伸ばした
その時、俺の肩をチョンチョンとつついて来る奴が現れんだ
 
 
チョンチョン・・
 
 
「ん?」
 

     「翔ちゃん、みっけ・・」
 

「雅紀か・・。みっけ・・じゃねーだろ・・」
 

     「一緒に食べても良い?」
 

「あぁ・・いいよ?」
 

     「すみませ~ん、Aランチもう1つくださ~い
      あ、ライス多めで~~」
 

     - はーい ー
 

アルバイトの男の子にそう言いながら
俺の前の席にストンと腰を下ろした雅紀は
ニコニコととても楽しそうに笑いながら俺の方を見ている
 
俺はこんなに楽しそうな雅紀の顔を見たのは久しぶりの様な気がして
素直に何があったのか気になった・・
 
     
「どうした?なんだか楽しそうだな・・」
 

     「くふふ・・・分かる?」
 
 
「分かるわ!何年付き合ってると思ってるんだよ 
 あ・・そっか・・!お前・・新しい彼女が出来たな?」
 

     「ぶっぶ~!違います!」
 

「え?じゃなんだ?
 あ!分かった美味しい焼肉屋さんでも見つけたか?」
 

     「ぶっぶっぶ~~っ!!全然違う!」
 

「え~っ!?じゃなんだよ・・・」
 

     「ふっふっふ・・知りたい?」
 
 
「・・・・・・、いや別に・・」
 

     「えぇぇぇ~~っ!?
      そこは”知りたい!!”じゃないの!?」
 

「いや・・別にそこまでは・・・」
 

(ホントは知りたいけど・・
 でもお前の性格上こう言った方が面白いんだよ・・笑)
 

     「教えてほしいでしょ?ね?」
 
 
「いや・・別に・・。って言うか俺先に食べるぞ?
 せっかくの料理が冷めちゃ勿体ないからな・・・」
 

     「えぇぇぇぇ~~っ!!?
      そんなツレナイ事言わないでよ~
      せっかく面白いこと教えてあげようと思ったのにさ・・ブツブツ・・」
 

「なんだよ・・仕方ないから聞いてやる
 ほらさっさと教えろよ・・」
 

そう言うと雅紀は「クククっ・・・」と小さく笑った後
俺の方へ身体を寄せなると小さな声でこう言った・・
 

     「実は俺も・・ルームシェアすることになったんだ・・・」
 
    
「えっ!?お前も?一体誰と?」
 

     「え~っとね・・説明するのはちょっと難しいんだけどね・・」
 

「ん?なんだ?難しいってどういう事?」
 

     「実は翔ちゃんの近くにある公園で出会ったんだけど・・」
 
 
「もしかして捨て猫みたいに段ボールに入ってた・・とか?」
 
 
(それは俺だよ・・)
 

     「う~ん、段ボールには入ってないけど・・
      でも池の脇とかベンチの背もたれの上とかを歩いててね・・」
 

「・・・・・・・・」
 
 

     「細いシルエットが月夜に凄く綺麗で
      着ていた服が薄紫色だったせいか
      まるで猫の国の王子様の様に見えたんだ・・」
 

!!?
「ぶっ!!?」
 

     「でも、やっぱりそんなところ歩いてたら危ないし
      怪我でもしたら大変だと思って声掛けたの
      そしたら”お金もないし行く所もない”って言うから
      取り敢えず俺ん家に来てもらって・・」
 
 

「・・・・・・・・・」
 

(どっかで聞いた話だな~)
 

     「そしたら凄く楽しい奴で、話している間に意気投合しちゃって
      ”美味しいご飯を毎日作るからこの部屋に置いて欲しい”って言われたんだ」
 
 
「それで?」
 

     「別に断る理由もないし・・
      美味しいご飯作ってくれるなら俺助かるし・・と思って・・」
 

「で?ルームシェアすることにした・・と・・?」
 

     「そうそう!楽しいじゃん!翔ちゃんと子のルーンとも仲良くなれたら
      皆でパーティーとかできそうだし・・ね?」
 

「確かに・・そうかもしれないけど・・
 でも本当に大丈夫なのか?ソイツ・・」
 
 

     「うん!大丈夫だよ!だってその子・・王子様だもん」
 

!!?
「はっ!?」
 
 

     「ジュレーム国の王子様なんだってさ!
      何でも修行中の身らしいよ?」
 
 

「そ・・それって・・・」
 
 
(ルーンと一緒のパターンじゃね?)
 

ってそう思ったけど
俺は何も知らないフリをし続けた

 
     

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
。。。。。。。。。。。。
 
 
おはようございます、シエルです
いつも遊びに来てくれてありがとうございます
 
すみません、本当は昨日の夜にアップしようと頑張っていたんですが
やっぱり寝落ちてしまいした・・ごめんなさい
 

さて、やっとお話が大きく動き始めたようです
 
これから一体どうなっていくのやら・・
次回からの展開をお楽しみに~♪
 
 
シエル