サトシヒメ〈参〉第56話 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります






ー 翌日 -


おいら達は日本で待っている皆の顔を早く見たくて
朝一で飛び立つ飛行機に乗り込んだ

そして上海を午前中に飛び立ったその飛行機は
その日のお昼過ぎに東京へと辿り着く

隣同士に並んで座っていたおいらと翔くんは
東京タワーとスカイツリーの姿が見えた瞬間にホッと胸を撫で下ろし
お互いの顔を見合わせながら微笑み合った・・




。。。。。。。。。






ワイワイ・・



ザワザワ・・・






「・・・・・・・」





     「ママーーッツ!!」




!!?



無事定刻通りに到着した飛行機を降りたおいら達は
到着ロビーの扉が開いた瞬間にその声を聞いた


ふとその声のする方を見ると
おいら達が立っている出入り口の真正面に
逢いたかった人達の顔が並んでいる事に気が付いたんだ



「あ・・・」


父ちゃんも

母ちゃんも


和也もいる




そして・・栞の姿もそこにあった




「栞・・ちゃん・・・?」





ダッ!




    「ママッ!!」





「・・・・・」




タッタッタッタッ・・・・!




薄いピンク色のリボンで2つに括っている長い髪が
まるでウサギの耳のようにピョンピョンと跳ねている


履いているスカートの裾を翻しながら
おいら達の方へと走ってくる栞は
時々転びそうになりながらも
でも走るのを辞めなかったんだ・・




     「ママーーーッ!!」




栞の可愛い声が大勢の人で賑わう到着ロビーに響いている

おいらはドンドンと近づいてくる栞の姿を見ていたらもう堪らなくなって
手に持っていた荷物をそっと床に置くとそのまま跪き
走ってくる栞を抱き締めようと両手を大きく広げた・・


パタパタパタ・・・ッ





     「はぁ・・はぁっ・・・」



「栞ちゃん・・」



     「ママッ!ママッ!!」
     


「おいで・・・」




    「・・・ッ!」




そうおいらが呟いた次の瞬間・・・

大きな瞳から綺麗な涙をポロポロと零したままの
可愛い女の子がおいらの腕の中に思い切り飛び込んできた




    「ママーーーッ!」




!!
「栞ちゃん・・・ッ」




    
おいらは自分の腕に真っ直ぐに飛び込んできたその小さな身体を
両腕でしっかりと抱き止めた後、強く抱きしめ返す


走りながら泣いていた栞はおいらの胸に顔を埋めた後も
何度も何度もおいらの名前を呼びながら泣き続けてる
普段はとても可愛い顔なのに
今は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた・・



     「ママッ・・ママッ・・・うわぁぁぁぁん!!



「ごめん・・ごめんね・・心配かけて・・・」



     「うぇぇぇ・・ン!ひっく・・ひっく・・・」



「ホントにごめん・・・」


     「えぐっ・・えぐっ・・ぐじっ・・うわぁぁぁん!!


「・・・・・・・」




おいらは激しく鳴きづつける栞の背中を撫でながらそっと顔を上げてみる
するとおいらの直ぐ近くには父ちゃんと母ちゃんの姿があって
少し離れた場所では和也が雅紀くんの胸をポカポカと叩きながら泣いていた・・



     「バカッ!!マーくんのバカ!!」



     「和ちゃん・・・」



     「どれだけ心配したと思って・・グスッ・・」



     「ホントにごめんね・・」



     「許さないんだから・・
      俺に無断でどっかに行っちゃうなんて
      絶対に許さないんだから・・っく・・」



     「分かってるよ・・。もう何処にも行かない
      これからはずっと和ちゃんの傍にいる・・、何があっても絶対・・」



     「約束だよ!?絶対だよ!?もし約束破ったら・・」



     「破ったら?」



     「マー君の秘密全部バラシてやる!!」



     !?
     「バッ!!それは・・それだけはダメっ!」



     「だったら絶対約束守って!!?
     もう2度と私の傍から離れないって・・今ここで誓ってくれる?」



     「いいよ・・俺、相葉雅紀はもう2度と
      和也さんの傍から離れない事を誓います」



     「・・・・・・・・、キスは?」


    
     「え?もう・・仕方ないな・・・、ちゅっドキドキ



     「(*⌒∇⌒*)」




雅紀くんからの小さな誓いのキスをその頬に受けた和也は本当に嬉しそうに微笑むと
引き寄せられた雅紀くんの腕の中にゆっくりと吸い込まれていった・・



(良かったね・・和也・・)



おいらはその光景を見届けた後
おいらに抱き付いて来た栞を抱きかかえながら立ち上がり
ここまで出迎えてくれた父ちゃんと母ちゃんに言葉を掛けたんだ




「ただいま・・父ちゃん、母ちゃん・・」



    「お帰り智・・」
    「お帰りなさい・・」



「心配かけてごめんなさい・・」



    「お前の所為じゃない・・
     それにこうして無事に戻って来てくれたんだ・・
     それだけで幸せだよ、なぁ母さん・・」

    「ホントに・・ぐすっ・・
     こうして無事にいてくれただけで・・
     母さんは・・うっうっうっ・・」



「父ちゃん・・母ちゃん・・」



目を真っ赤にした父ちゃんの横で母ちゃんが泣いている・・
おいらは母ちゃんが泣いたところなんて今まで見たことがなかったから
ちょっとビックリして焦ってしまったんだ

目の前で母ちゃんの肩が小さく震えている

おいらはそんな母ちゃんの身体を抱き締めてあげたくなった
するとそんなおいらの気持ちが分かるのか
隣に立っていた翔くんがおいらの身体からそっと栞を引き離してくれたんだ


ヒョイッ・・



!?
「えっ・・!?あ・・」



     「行っておいで・・?」



「うん・・」




グスグスとまだ泣き続けている栞を抱きかかえたまま
おいらにそう言ってくれた翔くんは
その大きな瞳を少し濡らしながらも
その視線だけでおいらの背中をそっと押してくれる

そしておいらはその瞳に促されるように両親の元へと向かうと
お互いの身体を抱き締めあいながらその存在を確かめた



「父ちゃん・・」



     「智・・・本当に良かった・・本当に・・・」



「うん、ありがとう・・」



     「うっ・・うっ・・う・・」



「母ちゃん・・心配かけてごめんね?
 でももう大丈夫だから・・もう何処にも行かないから・・」



     「うん・・うん・・」



「ありがとう・・母ちゃん、大好きだよ・・」



     !?
     「さと・・し・・・ッ、ううぅっ・・」



「だからもう泣かないで?ね?」




おいらはそう言いながらその細い肩を抱き締める
始めて抱き締めた母ちゃんの身体は
それまで思っていた以上に細くてそして優しかった・・・








。。。。。。。。




     <ではお先に失礼します>




「ありがとうございました」


    
     <じゃ、また連絡するから・・>


「はい」



仕事があるからと先に帰った奈良さんを見送った後
おいら達は家族水入らずで一緒にご飯を食べに向かった


そこは出発前に3人で食べに行った空港の展望レストランで
栞が美味しいと言っていた唐揚げが置いてあるビュッフェスタイルのお店だ
綺麗なコック服を着たシェフが
焼き立てのステーキを切り分けお皿の上に乗せてくれる



そんなレストランの中
足を痛めてあまり動けない雅紀くんの代わりに和也が
大きなお皿を手に取り料理を取に走り回っている・・



    「はい、まー君。貴方の好きな唐揚げたくさん持って来たよ?
     後、何が食べたい?何でも言って?」


    「ん?え~っとね・・・」

    
    「あ・・さっきシェフが美味しそうなステーキを切り分けてたよ?
     食べるなら貰ってこようか?それとも餃子にする?飲茶もあったよ?」


    「うん・・そうだね・・。あ・・でも和ちゃん・・」


    「ん?」


    「俺・・サラダが食べたいな・・」


    「えっ!?サラ・・ダ・・・?」


    「うん、サラダ・・あ、あとスープも欲しい
     わかめスープとかないかな?」


    「え?あ・・あったと思うけど・・でもいいの?」


    「うん。今、凄く食べたい気分なんだよね~どうしてかな~(笑)」



おいらの斜め向かいに座っていた雅紀くんはチラリとおいらの方を見ると
照れくさそうに微笑みながらぎこちないウィンクをして見せてくれる

おいらはあの時言った言葉をちゃんと覚えていてくれたことが嬉しくて
自分も小さくウィンクをして返すとお互い目線だけで話をしたんだ・・



  
    (こんな感じでどう?)



(完璧だよ♪)



    (和ちゃん嬉しそうに笑ってたね・・)


(うん♪)



「んふふっ音譜



おいらはそんな雅紀くんに小さく微笑み返すと
目の前に置いてある卵スープに手を伸ばした・・



「あっちっ・・!」



    「あぁぁ・・智くん溢してる・・」



「だって熱かったんだもんっ!」



    「気を付けて?はいお水・・」



「ありがと・・」



    「ふふっ・・・美味しいね」



「うんラブラブんふふ・・・」