サトシヒメ〈参〉第53話 | 青い天使のアトリエ*嵐*山love♡妄想小説*

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気象系グループさんの名前をお借りして
腐った妄想小説を書き綴っております
主に山コンビメインですが他のCPもあります

チャポン・・・



「ふぅ・・・っ」





温かなお湯の張ったバスタブの中で
貴方が気持ちよさそうにため息を吐いている

俺と奈良さんが宿泊しているホテルに無事に着いた後
奈良さんのご好意により俺と智くんが同じ部屋に入る事になったんだ



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆




移動中のバスの中で和也の声を聞きながら
ボロボロと泣いていた雅紀は
その眼を真っ赤にさせながらも
違う部屋へと向かう俺達に向かってずっと笑顔でいてくれた



そしてホテルのエントランスで自分の部屋のキーを受け取った俺は
あの村を出て以来ずっと繋いだままの手を引き部屋の中へと入る

だって俺も智くんも早く2人きりになりたくて仕方がなかったから・・





ー パタン -



と、扉の絞まる音が後ろで聞こえた時にはもう既に俺達は唇を深く重ねていた
華奢な身体を強く抱きしめずっと触れたかったその肌に触れる

でもいつもならシットリと濡れている筈の貴方の唇が心なしか少し乾いていて
その温度も普段の貴方より冷たく感じた




!?
「・・・・・・・」



    「んッ・・ン・・ぁ・・しょ・・・」



「・・・・、ちゅっ、ちゅっ・・」



    「あん・・・っちゅ・・?っふ・・」


「・・・・・・・・」


     「は・・ぁ・・・」




やっぱり・・
いつもより少し冷たい・・


こりゃ止められなくなる前にお風呂だな・・・




「ちゅっ・・ちゅ・・」




俺は大好きな貴方の薄い唇を自分の唇で食みながら
貴方に不思議がられないようにそっと離してゆく・・

でも貴方はもうスイッチが入ってしまっているのか
薄い糸を引きながら離れていく俺の唇を追いかけてきた・・
軽く背伸びをし、俺の頸に腕を回して上目使いに俺を見つめるその瞳

その瞳は真っ直ぐな貴方の心映し出す鏡そのもので
例え貴方が何も言わなくてもその瞳を覗き込めば俺には解るんだ・・

ほら・・今だってそうだよ
貴方のその潤んだ瞳の奥で小さな炎がユラユラと揺れているのが見えるよ?
    


    - どうしてもっとしてくれないの? -
  
    - 早く1つになりたい・・ -



って、そう思ってるでしょ?




    「はぁ・・・しょ・・・」



「ねぇ智くん・・・」



    「ん?なぁに?」



「先に・・・お風呂入ろうか?」



    「え?あ・・ごめんなさい、おいら臭かった?クンクン・・」



「ふふっ・・ううん、そうじゃないよ?
 貴方が臭い訳ないじゃない」



    「え?じゃぁどうして・・?
     おいら、今すぐに翔くんを感じたいのに・・・」



「分かってる・・俺だって今すぐ貴方を感じたい
 愛して愛されて・・貴方の存在をこの手で確かめたい」



    「だったら・・」



「でも智くん、正直に答えて?
 今、少し寒いでしょ?
 もしかしてお腹もすいているんじゃないの?」




    !!?  
    「ど・・どうして分かるの?
     確かに今ちょっと寒いけど・・」



「ふふっ・・。俺を誰だと思ってるの?貴方のだんな様だよ?
 そして貴方は俺の大切な奥さんでかけがえのないお姫様なんだから」



    「え?あ・・んふふっ、はい(笑)」



「実は俺も少し寒いと思っていてね
 ずっとバスに乗っていたら身体も疲れてるし・・
 だからこのまま2人でお風呂入ろう?
 あ、心配しないで?貴方は何もしなくていいから・・」



    「へっ!?」



「俺が貴方の身体を隅々まで洗ってあげる
 頭の先からつま先まで・・全部・・・」



    「でも・・でも、翔くんだって疲れてるでしょ?
     あの日からずっとまともに眠ってないくせに・・」



「あ・・バレた?ふふっ、でも大丈夫だよ
 こうして今目の前に貴方がいる・・
 それだけで俺は元気になれるんだ」



    「翔くん」



「それに俺は普段から鍛えてるからね
 ほら見て?この筋肉!カッチカチだろ!?(笑)」



    「ふふっ・・そうだね」



「でもまさかこんな時に役に立つとは思ってなかったけど・・」



    「なんちゃって筋肉じゃなかったんだ・・(笑)」



「おい!」



    「んふふっ?・・あはははっ!」



「あはははっ!!」




あぁ・・貴方が笑ってる・・


貴方と共に同じ時間を過ごす様になってから
何度も見た幸せな光景・・

でも当たり前だと思っていた光景は
本当は当たり前じゃなかったんだね

たくさんの奇跡が重なってできた
かけがえのないモノだったんだ



    「・・・??どうした・・の?」



さっきまで笑っていた智くんが
心配そうな顔をしながら俺の顔を覗き込んでいる

俺はその時智くんが
一体どうしてそんな風に心配そうな顔をしているのか分からなかった



「え?」



    「泣かないで・・・?」




!!!?

      
智くんの指が俺の頬にそっと触れる
そして細くて長い指が頬を流れ落ちる涙を救い上げた時
自分が涙を流している事にやっと気が付いたんだ


「え?あ・・・あれ・・?」



    「・・・・・・・・・・」



「どうして・・?」



俺は自分の涙を掬ってくれた智くんの指に自分の指をそっと絡ませる
そしてその手を取って自分の頬に引き寄せると
智くんから伝わってくる温もりをその手に感じ取りながら瞼を閉じた



「はぁ・・・」



    「・・・・・・」


    
「温かい・・・」



    「うん・・・」



「よかった・・
 ホントに・・よかった・・」



    「うん・・・」



「貴方が居なくなったらと思うと・・俺・・・」



    「翔くん・・・」



「何度も心の中で叫んだよ・・
 ”何処なの?”、”早く帰って来て”、”智くんに逢いたい”って・・・」



    「うん・・・」



「奈良さんが上海へ行くと連絡をくれた時
 気が付いたら”一緒に連れてってくださいっ”て言ってた
 例え仕事を失うことになったとしても、それでいいと思ったんだ・・・」



    「・・・・・・・・・・」



「だって今貴方を探しだせるのは俺だけだと思っていたから・・
 だから・・俺・・・どうしても・・
 奈良さんについて行きたくて・・それで・・」


俺は声が詰まってそこから先の言葉が出て来ない



「・・・っく!・・っ」



胸が・・・痛い・・


伝えたい言葉たくさんあるのに・・




俺の胸の中で言葉が溢れすぎてて
何から伝えたらいいのか分からなくなった

すると離れていた貴方の香りが強くなる
ふと気が付けばまた貴方の手が俺の頸に廻っていて
俺の身体を抱き締めながら背中を何度もさすっていてくれたんだ


    「・・・・・・・・」



「っく・・ぅ゛・・っ」



    「翔くん・・我慢しないで?思い切り泣いていいよ」



「!!!?」



    「ありがとう・・翔くん
     あの時翔くんの姿が見えた時ね
     おいら一瞬、夢でも見てるのかな?と思ったんだ・・」


「・・・・」


    「だっておいらも寂しくて怖くて・・」


「うん・・・」


    「おいらねもしこの世が明日滅ぶとしても
     最後まで翔くんと一緒にいるよ?
     何があっても・・絶対に離れたりしない・・
     この眼に映る最後の景色は翔くんが良いの・・
     ううん、翔くんじゃなきゃ・・ダメなの・・」


「さと・・し・・・っ」


    「愛してるよ・・翔くん・・・」



    「愛してる・・・」



そう言った智くんはグッと下唇を噛み締めている俺の唇に小さくキスをしてくる
俺は智くんから与えられる柔らかな感触を確かめると
その身体を抱き上げ急いでバスルームへと向かう

貴方は突然抱き抱えられて一瞬驚いていたけど
でも次の瞬間には嬉しそうに微笑みながらその顔を俺の胸にそっと埋めたんだ・・・     
     










。。。。。。。。。。。


こんばんは、シエルです
いつも遊びに来てくれてありがとうございます


すみません、本当なら今日は土曜日だから
<Under the Rose~秘密の花園~>の続きをお届けするはずなんですが
サトシヒメの方が降りてきてしまいましたので
昨日の続きをお届けさせて頂きました

次回はアメ限か別部屋行き・・かな?(〃∇〃)
だって・・ねぇ?
そろそろ2人とも我慢の限界でしょ?(笑)

明日は一応<Under the Rose~秘密の花園~>を
お届けしようと思っておりますが
もしかしたらこのままサトシヒメの続きを書くかも知れません

ま、どちらかは必ず書きますので
楽しみに待っててくださいね

では~ヾ(@^▽^@)ノ



いつも応援してくれてありがとう
心より感謝いたします


シエル