1. 月の虚
2. 恋獄 ★
3. LUNA
4. 硝子の月
5. 蝶
6. Distance
7. 瑠璃の鳥
8. Puzzle
9. 縺れた糸
10. Snowdrop
11. 恋獄~Arrange ver.~
12. LUNA~Arrange ver.~
13. トロイメライ


日本の女性歌手とPCゲームブランドのコラボレーションアルバム。


いわゆるエロゲ業界屈指のミステリ&猟奇な世界観を演出するPCゲームブランドInnocent Gray。

同ブランドゲームの主題歌を歌うのがSound Horizonなどとコラボをするファンタジー歌手霜月はるか嬢。

このアルバムは、発売時点での彼女の歌う主題歌・挿入歌全てを網羅した作品。

イノグレのゲームは結構暗いのが多いので、曲もイメージに沿ったものが大半。

故に、静かな曲が中心です。

彼女の声は、不安定な揺らぎがあって、自分はそういうところに惹かれています。

人の危うい感情をそっと撫でるような声に合った音使いで、ジャジーなフレーズを織り交ぜたり、儚さを強調したシンセをアクセントに使っているため、妙にしっくりきます。

これがケミストリーという奴ですね。

また素晴らしいのは、イノグレスタッフが生音主体の音を使ったりしているということ。

打ち込みであっても、チープな印象をあまり感じさせない。それは非常に素晴らしいです。


繊細なエレクトロに和音階のストリングスが絡むM-1、ピアノに被さるディストーションが咽び泣くようなM-3、木琴のサンプリングのような音が心地よいM-4、哀愁漂うメロを弾くギターが炸裂するポップなM-5、穏やかにゆったりと歌い上げるM-6、サックスの音色に導かれてジャズの色も濃いM-7、ベースがジャジーなグルーヴを作り出すM-9、ピアノが妖しさと狂気を演出するM-9、しっとりとしたエレポップM-10、華やかに疾走するポップなM-13とある程度統一したアルバムになっています。

尺八の音が暗黒的な世界に誘うM-2がベストトラック。

というか、この曲でこの人好きになったくらい、好きな曲です。

和テイスト満載で、なおかつ狂ったような歌詞世界も合わせて、色々嵌っています。

エレクトロな要素も入れ方が物凄くうまく、ツボ。


耽美な音楽を耽溺するような方であれば、結構はまるだろうアルバム。

彼女の歌は物凄い不思議なバランスで成立しているので、そこが好み分かれるかもしれません。

難を言えば、もう少しリマスタリングを施して、全ての音をはっきりと聞き取れるまで高めて欲しかった。

後から録音したと思しきM-11~M-13は結構音いいので。

でも、仄暗い音楽はやっぱりいいですね。


(2010年発表)


満:★★★★★★★★★ (9/10)

薦:★★★★★★★★ (8/10)