皆大好きRadioheadの最新作。
でもすいません、個人的に彼らの作品はほとんど所持しているものの好き度合いで言うと中程度でしょうか。

ですが、このアルバムは結構気に入っています。

今となってはそこまで革新的な音でもなく、斬新だったのはその流通方法。

そこが大きく注目されていましたが、肝心の音はと言えばさすがに安定しています。

はっきり言うと、この作品は音のテクスチャーや完成度で言えば確かに完成されています。もうそれは、熟練の技と言っていいでしょう。

ポストロック/エレクトロニカ的音響の妙や、そもそもの楽曲の良さ、楽器の組み合わせ方のセンス。

これらは一時代を築いたバンドだけあって、さすがなものがあります。

ですが一方で、大きく損なわれたものもあります。

それはやはり、緊張感かと思っています。

前作をメンバーはバッシングしていましたが、あの作品はあの作品で『Kid A』や『Amnesiac』を世間に受け入れられたことに対するプレッシャーやら何やらで、作品全体が過剰になっていました。そこから生まれるスリリングさが大きく爆発していたアルバムだと思っていて、僕個人は好きです。

対して、この『In/Rainbows』では世界を獲ってからはじめて、パーソナルな立ち位置を確立することができたのか、ようやく安定しているように思えるのです。

それ故、暖かみはありますが過去に見られたような、一歩間違えれば突き落とされそうなスリルは消失しています。

かと言って今作に緊張感が必要なのかと言われるとそうでもなくて、この世界観できちんと閉じている。

なので、これはこれでありかと思います。

まぁ、M-2やM-9のような激しめのギターロックではもう少し緊張感を漲らせていいと思いますが。

アルバム全体のトータリティは実は過去最高と思っていて、オーガニックで美しいサウンドプロダクションは、彼らの作品で最もリラックスできるのではないか、と思います。


まぁ、そこが不満だと言う声も当たり前のようにあるでしょうけどね。

でも敷居は確かに低くなりましたね。


(2007年発表)


満: ★★★★★★★ (7/10)

薦: ★★★★★★★★ (8/10)