先日サックス奏者のデヴィッド・サンボーンが亡くなった。
御年78歳。 前立腺がんだったそうな。
昨年のウェイン・ショーターに続き、ついにサンボーン
まで・・・。 「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」での演奏で
ファンになって以来、CDも集めたりして結構聴いた人
で、最近はyou tubeの「サンボーン・セッションズ」も
視聴していたのでやはりショックだなと・・・。
アルト奏者でありながら、普通誰もが出発点とする
チャーリー・パーカーの影響を全く感じさせない人も
珍しいと当時は思った。 でも彼の家にあるのはマイルスや
コルトレーンのレコードが多かったらしい。
まだキャリアが始まって間もない頃だったと思うけど、
ギル・エヴァンス・オーケストラの一員として吹き込み
を行っていて、そのCDも持ってる。
もうこの頃からすでに「泣きのサンボーン」と言われる片鱗を
見せてる。 亡くなったのを知って動画を見まくっていたら
多分同じ頃だと思うけど・・・同じくギルのバンドでの彼の
姿を見つけた。
後半はソニー・スティットのソロになってこちらはいかにも
メインストリームのジャズ的フレーズなだけに、サンボーンが当時から尖った存在なのがわかる。 アレンジャーやコンダクターってこういう存在は使いづらそうな気もするんだけど、この時のギルはノリノリだねw ギル・エヴァンスって人はあまり自分が前に出るタイプではないのかもしれない。
このサンボーンって人は宇多田ヒカルの曲にまで参加するような
人で、「本物のミュージシャンはジャンルにこだわっている暇
などない」というのが彼の弁だそうな。 でもやはりどれだけ畑の違うミュージシャンとやっても一聴してサンボーンだってすぐにわかるあの独特な凄みのある音は、単なるスタジオミュージシャンの枠に収まるような人でないのは確かで。
レイ・チャールズのような黒人音楽を聴いて育ったそうなので、
やはりR&Bの影響を強く受けた音なのは間違いない。おそらく
キャリアとしては絶頂期の頃、自ら司会を務める音楽番組
「ナイト・ミュージック」に御大マイルスがケニー・ギャレットらと共に出演し、「TUTU」でサンボーンがソロを披露したが、はっきり言って主役を完全に食ってたw 短いソロだけど、
バンドがバンドだけに凄みが半端なかったな。
マイルスとサンボーンは何度か共演してるみたいで、映像にも
残ってるけど、出来る事ならギルのバンドにいた頃の共演を聴いてみたかった。スティーブ・グロスマンらよりはるかに面白い化学反応が起きたんじゃないかと。 んで共演の叶わなかったジミ・ヘンドリックスも共に。
自分をジャズの世界でいざなってくれた偉大なミュージシャン
がどんどんこの世を去っていく。。やはり寂しいし辛いね。
一方で出会いもあるのだけど、自分の興味の幅が狭いので
失う方が多い感じかな。