暑く長い夏を旅して

暮れてゆく今日の中で感じた気持ちを胸に落としゆく

僕らの夏は青

鈴虫の調べ、赤トンボ

自分を鼓舞(こぶ)するように拳を固く握った

その手は熱く、熱く

呆(ほう)ける心の帳(とばり)が降りてゆく


明日の約束

明後日(あさって)の秋雨前線(あきさめぜんせん)

明々後日(しあさって)の僕らの居場所

何処に居ても長い夏は追い掛けてくる

なら、僕らは短い秋に逃げよう

見つからないように紅葉を被(かぶ)って、かくれんぼ


後ろの正面、誰?

夏?、それとも秋?

誰もその答えを知らない

僕らはきっと秋に出会える

雨上がりの虹は僕らの心の歌

知らず知らずに鼻歌を歌って、秋が迎えに来てくれる


けど僕らを夏はまだ忘れさせてくれない

汗ばむ肌を、湿度の高い空気を感じては夏が風になって駆けてくる

それでも陽は短くなって

涼しさはもうすぐでやってくる

それまでは多分、まだ夏を青を旅するのだろう

紅葉を被(かぶ)って、かくれんぼは続く


子供の頃の夕暮れ時の寂しい気持ちを思い出す

僕らももう左様なら

遊びは終わり

家(うち)に帰ろう

そうしてるうちに秋はもうすぐやってくる


夏よ、左様なら

秋よ、こんにちは

僕らはきっと今年の夏を忘れない