僕の胸を動かす歌

出逢ったんだ

綺麗に華麗に声高らかに歌う美しい人

生きてく意味を示す道標(ミチシルベ)

こんなにも震わせられる鼓動

心臓が云(い)う

これが僕を動かし原動力になると

僕を咲かすものだと

探してたもののひとつだと

生まれ落ちた時に此処(心)を持った

何度でも何度でも挑戦し続ける鼓動

何も無い場所から探すばかりで無いことに焦り駆り立ててた

此処(手の中)に有ったんだ

此処(胸の中)に居(い)たんだ

その人が指し示す座標

行くべき場所を

進むべき道を

見つけた意味を


深紅(しんく)の血が流れてる

生きてるんだ

息するだけで激情が走る

ノイズが頭を痛くするけど

それも生きてる一部なんだ

激しさに血が沸き立つ

無くすことは出来ても無かったことには出来ない

bye-byeする度に明日が来ることを確信してる

苦味も痛みも喜びも悦楽もただ受け入れるだけだ

歩いてく足は僕の感情の行き着く先を表わす

棘だらけの荒道でも進むだけだ


その先に咲かせるものがあると信じてる

誰も居(い)なくても

独りが孤独とは限らない

進歩する孤独の種

独りでも見えてるものが熱いもので或(あ)れば

無くしてばっかの日常も

苦悩ばかりの日々も

進むだけ✕(かける)生きてくだけ

そんな最期は笑い飛ばす生意気に


生きるか止(や)めるか

彼女は云(い)った

それを冷たい言葉とは言わない

彼女も探してる

僕も探してる

人生ってやつを

ロクデモナイ薔薇色の日々が響いた

泣けど凪(な)げど鳴けど

胎盤から産まれた瞬間、力一杯騒ぎ泣いた

羊水(ようすい)の暗闇からこの世界に落ちて嘆いた

守られるものが無くなった証拠

独りで生きなくちゃならない


彼女の話はこう続く

生きてく、生き長らえる、生き抜く、生き続ける、息をしてく

そして、ただ前へただ前へ進むだけだ

息絶えるまで、抗うことでも前向く

君と生きてく、失くしてばかりの毎日でもどんな苦しさでも凛(りん)として立つこと

茨(いばら)の花でいること

それは強さ弱さ両方を兼ね備えることと云(い)う


その漆黒(しっこく)の長い髪を揺らして

彼女の高音が僕の心臓の揺らぎ

僕は僕であることを認めてた

探してた生きてくことの意味

天高く手を伸ばして

何かを掴もうと彼女は歌う


だけど、ノイズが邪魔をする

頭を悩ます、弱さと強さの天秤(てんびん)が揺らぐ

弱さは優しさを惹き寄せ

強さは側に在(あ)る大切さを守る

どちらも愛

生きてく一部なんだ

涙、怒り、微笑(わら)って、後悔、嬉しさ

どの感情が生きてく上で最も大切なのか

未だにわからないまま


人生っていうものとは?

生きてくとは?

誰も居ない世界に落とされた

音の、色の、不安という感情の無い夢を見た

すべてが廃(すた)れてて色が灰と化し落ちてた

そんな世界に独りで居(い)ることに価値など生まれるのだろうか

誰かと悲しみ苦しみ分かち合うこと

誰かと歓喜を共にすること

そこから生まれる感情で歩いてくこと

人と繋がることは時に難しいけれど

生まれるものがきっとある筈(はず)

彼女はそう歌う


一度きりの旅なら

一緒に行かないか?

私と共に

彼女はそう歌う

その美しい背中は強さ、脆(もろ)さも受け入れて

戦う姿勢、抱き寄せる優しさを持ってる

そう、生きてる

そう、生きてく

ただ前へ、ただ前へ、ただ前へ手を心を伸ばす