前回からの続きです。
ジョーとのお付き合いは
愉快で、新鮮で、
デートの前はいつだって
ワクワクしたものです。
あぁ、私、いま、恋をしている!
そんな思いを抱かせてくれる
久々の男性でした。
Mr.リッチに出会う前の
ピュアな恋をしていた頃の自分を
思い出させてくれるような。
高級ホテルやレストランじゃないと
満足出来なかった過去の自分や
恋の駆け引きを楽しんでいた自分から
解放されたことを実感し
しばらくは幸せな日々を送っていました。
そう、しばらくは。
ある時、私が髪型を変えたら
「前髪を下ろさない方が良かったのに」
とジョーが言いました。
センスの良いジョーは
女性の髪型やファッションにも
色々と好みがあるのかな?
とその時は大して気にしなかったのですが
それ以降も
「◯◯の方が良い」と時折言われたり
プレゼントしてくれたルージュや小物が
どう考えても
私には似合いそうにない場合があって
次第に雲行きが怪しくなってきました。
ジョーは誰かの面影を
私に重ねている。
その誰かのことを
今も忘れられずにいる。
いつの頃からか
そんな思いが胸をよぎり始めました。
単なる思い込みなのかもしれない。
けれど、それだけでなく
ジョーの私への思いは
ある地点まできて
そこで止まってしまっている気がする。
どちらにしても
確かめなくては。
彼との次の約束は1ヶ月後の東京。
その時に彼と向き合おう。
たとえそれが
悲しい結末になったとしても。
続く、、、。