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インドのケララ州ではカドミウムを稲の実には吸いにくいポッカリ(Pokkali)という在来種の稲があることを知って、関心はあったのだけど、バンダナ・シバさんからこの稲が実はインドの中でももっとも歴史の長い有機栽培の伝統を維持していることを知り、さらに関心がわいた。

 

 このポッカリは3000年前から栽培されていたことがわかっているという。なぜ、有機生産を続けられてきたかというと、エビの養殖との組み合わせで化学肥料を入れずに肥沃さが保たれるということと、その組み合わせゆえ、同じ面積の田んぼからあがる収益も倍になるかららしい。その有機農法はポッカリ・システムと呼ばれている。

 

 なぜ、ポッカリのお米にカドミウムを実に入りにくいかというと、カドミウムを吸収するために関わる遺伝子OsNramp5をこのポッカリは二重に持っている。ケララ州の水田は塩分濃度が高いので、その高い塩分濃度に耐えられるようにこの在来種は進化してきたのだろう。この遺伝子が二重になっているため、カドミウムは吸うのだが、それが根の液胞に留まり、実には登っていかない。つまり不要な塩分を根の液胞に蓄え、体内からは隔離する能力を身につけたため、塩分高い水田でも成長することができるのだろう。そして、その能力がカドミウムにも有効に働くということと考えればいいのかもしれない。

 分子生物学者の河田昌東さんによると、遺伝子を二重に持つということは環境の変化への対応で生物がよく見せる反応だということで、自然な反応だと考えられる。

 

 しかも、このポッカリのお米にはオリザノール、トコフェロール、トコトリエノールなどの抗酸化物質に富み、それは薬用米をしのぐくらいなのだという。アミラーゼ含有量も多いので、糖尿病患者にもよいらしい。さらに塩分の高い水田はメタンガスもほとんど発生させないという。

 

 気候変動で海面が上がり、塩分濃度が上がることが懸念される中、このポッカリのような稲の活用は重要になっていくかもしれない。ポッカリとは現地の言葉で「何よりも成長する者」という意味。

 

 このポッカリとコシヒカリの交配に岡山大学の馬教授が成功し、日本でも生かすことができることがわかった。食感はコシヒカリ、そして、カドミウムは吸いにくいから汚染が気になる地域でも安全なお米を作ることができる。

 重イオンビームで遺伝子を破壊した稲よりも、このようなすばらしい特性を自然の中で身につけた稲の方がはるかにいいのではないだろうか?


The Story of Pokkali

https://pokkali.in/


「あきたこまち」をどう守る? 東京集会

日時:3月29日 午後2時〜4時半

場所:連合会館203会議室

参加費無料

参加申し込み:https://bit.ly/komachi0329


 

歴史

ポッカリの物語は、この豊かな穀物の種子を西ガーツ山脈から低地にある塩性平原に洗い流した大洪水から始まります。そこで彼女は、ポッカリの農業と調和して暮らすコミュニティを育成するために、自然の破壊に対する強力な挑戦者として進化しました。ポッカリはケーララ州で最も古い品種の一つです。また、有機農法によって栽培された世界で最も古い作物の一つでもあります。

コンカニ語を話すクドゥンビ族の人々は、現在のゴア州からケーララ州に移住する際に穀物を持ち帰った可能性があると言われています。ここでポッカリがスリランカで栽培されていることに注目するのも興味深いです。仏教宣教師を介してスリランカに伝わった可能性もあれば、その逆も考えられます。ポッカリの物語は、地域社会やケーララ州への、またはケーララ州からの移住の物語と密接に関係しています。さらに多くのストーリーを見つけ次第、皆さんと共有するのが待ちきれません。

マラヤーラム語でポッカリは、何よりも成長する人という意味になります。その名前が示すように、ポッカリ草は高さ 6 フィートまで成長します。彼女のそびえ立つスレンダーな美しさは、彼女の強さと回復力を信じていません。

今日、ポッカリは、栄養価や古さだけでなく、気候変動の猛攻撃やさまざまな人為的介入に耐えてきたという理由で、世界の家宝米品種の最前線に立っています。この農業システムは、効率的な炭素隔離とメタン生成の減少により、気まぐれな気候変動に耐え、改善します。また、近い将来、海面上昇によりさらに多くの湿地が浸水する可能性があると予想されています。そのため、海岸保護のための海岸湿地の管理と、生計支援のための継続的な利用には、早急な対応が必要です。ポッカリのような気候適応型の伝統的な農業および水産養殖システムの推進は、これらの状況に関連しています。

ここには、時の水とともに空腹や疲れた人々の器に入り、栄養を与え癒しを与えるために時を超えて旅を続ける一粒の物語が横たわっています。