☆ AL JARREAU / BREAKIN' AWAY
2017年2月12日朝、“アル・ジャロウ”が76歳で亡くなった・・。
数日前に過労により息切れ等を起こして入院。予定したツアーをキャンセルし、音楽活動からの引退を発表したばかりだった。
“アル・ジャロウ”はジャズ・シンガーという位置づけの人だが、彼の音楽はジャンル分けが難しい。
彼の音楽はジャズにとどまらず、R&B、AORとして語られることもある。
“ジェイ・グレイドン”と組んで作った一連のアルバムはAOR界においても評価が高い。
1981年に発表された当アルバムは、そんなアルバムの１つである。
プロデュースはもちろん、その“ジェイ・グレイドン”！
“アル・ジャロウ”のやりたい事と“ジェイ・グレイドン”のAORさが うまく融合し、
芸術性もあり、かつポップさもある傑作アルバムとなった１枚だ。
（ちなみにこのアルバムのジャケット写真は、妻の“スーザン・ジャロウ”が撮ったものなんです）
このアルバムでジャロウはグラミー賞の“Best Pop Vocal Performance, Male”を獲得しています。
↑ ライナーノーツ
それまでポップ・チャートには縁の薄かったジャロウですが、
A面3曲目 「We're In This Love Together (邦題：奏でる愛)」 が全米１５位、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートで６位、カナダ・アダルト・コンテンポラリーで１位のヒットを記録！
ジャズの香りをほんのり残しつつも、ポップ寄りでAORなナンバーです。
バックの演奏では、シンセサイザーで “マイケル・オマーティアン”、ギターで “TOTO” の “スティーヴ・ルカサー” が参加しています。
We're In This Love Together
当アルバムのオープニングを飾るのが「Closer To Your Love」！
このアルバムについて雑誌等で評される時、この曲について語られることはほとんどないが・・・・・個人的にはとても好きな曲。
好きさで言うとアルバム中１、２位を争う曲だ。
このアルバムで私が特に好きなのが、「Our Love」と この「Closer To Your Love」なんです。
この曲ではホーンで“トム・スコット”が参加しています。
Closer To Your Love
A面２曲目「My Old Friend (邦題：心の友へ)」は、“ペイジズ”の“リチャード・ペイジ”と“スティーヴ・ジョージ”、それに“ジョン・ラング”による共作。
“リチャード・ペイジ”と“スティーヴ・ジョージ”はバック・コーラスでも参加しています。
他の参加メンバーも豪華で、“デビッド・フォスター”、“ジェイ・グレイドン”、“スティーヴ・ルカサー”等が参加しています。
My Old Friend
このアルバムのハイライトがA面4曲「Easy」！
“アル・ジャロウ”のやりたい事と“ジェイ・グレイドン”のプロデュースが見事に調和して完成度の高い曲になっています。
“アル・ジャロウ”のボーカリストとしての魅力、彼の優れたボーカル・テクニックを堪能出来る、JAZZYでFUNKYで疾走感があるナンバーです！！
Easy
A面のラストを飾る「Our Love (邦題：明日に漂う)」は、アルバム中 オープニング曲と並んで私が特に好きな曲！
ストリング・アレンジやアコースティック・ピアノ等で“デビッド・フォスター”が参加しています。
フォスターは作曲には関わっていないのですが、どこかフォスター色が感じられる曲です。
バック・コーラスを“ペイジズ”の２人が務めている他、“ジェイ・グレイドン”がギターを弾いています。
Our Love
B面1曲目のタイトル曲「Breakin' Away」もシングル・カットされ、全米４３位のヒット。
この曲では“TOTO”の“ジェフ・ポーカロ”がドラムを叩いています。
B面2曲目「Roof Garden」には“ジョージ・デューク”が参加しております。
B面3曲目「(Round, Round, Round) Blue Rondo A La Turk」は“デイヴ・ブルーべック”のジャズ・インスト・ナンバーに“アル・ジャロウ”が歌詞をつけたもの。
ここでのジャロウのスキャット・ボイスはB面のハイライトだ。
この曲でジャロウはグラミー賞の“Best Jazz Vocal Performance, Male”を獲得しています。
アルバム・ラストの「Teach Me Tonight (今夜教えて）」もシングル・カットされました。全米70位、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは１９位のヒットを記録しました。
収録曲
Side 1
1. CLOSER TO YOUR LOVE
2. MY OLD FRIEND
3. WE'RE IN THIS LOVE TOGETHER
4. EASY
5. OUR LOVE
Side 2
1. BREAKIN' AWAY
2. ROOF GARDEN
3. (ROUND, ROUND, ROUND) BLUE ROUND A LA TURK
4. TEACH ME TONIGHT
↑ 裏ジャケット
