中学2年、秋。
 テストの結果が良かったら、携帯を買ってやると父親が約束してくれていた。
 その約束は、中学2年初夏。夏休み前に交わされた。
 わたしは夏休み中、とにかく一生懸命勉強した。
 そんな努力が実を結び、わたしは携帯を手にした。よくあった0円携帯だった。わたしの携帯番号は、その13才から変わっていない。ずっと1つのキャリアを信じて人生を共にしてきた。大袈裟かもしれないけど、わたしの1番近くにいたのは携帯電話だろう。
 大学生の頃、ソフトバンクからiPhoneが発売された。どうしてもiPhoneが欲しかった私は、docomo端末を1番安い契約にしてソフトバンクでiPhoneを契約し、携帯を2台持ちにした。いつかきっと、いつか、きっと、docomoでもiPhoneが使えるようになるだろう、その日の為に契約を維持し続けた。
 そして、時は令和。キャリア戦国時代。キャリア変更ばかりにお金がばら撒かれ、ずーっと信じている人への恩恵は皆無。いつかきっと、いつかきっと、長く続けている人に光が…、信じていたけれど、わたしが信じていた期間に恩恵は得られなかった。
 目が覚めたようにわたしはショッピングモールへ出向き、粗品をばら撒いているお兄さんに話しかけた。
 『キャリアを変えたい』すごく悲しかったのを覚えている。あぁ、わたしの青春時代をともにしたdocomoよ…さようなら…。いろんなことがあったね、中学の時はメールばかりでね、その頃に着うたってできて、受信する人によって音楽を変えたり、動く絵文字みたいなものもできたりしたなぁ。電波が届かない場所も多くて、センター問い合わせをたくさんしたり、海が見えるところに移動したりしたなぁ。意味あったのかな。
 友達とメールだけだったのに、高校生になったら、ホームページを一緒に作ったり、前略ってプロフィールが流行ってみんなでリンクしたり、まぁその時の知識が少なくとも今のブログに関わってくれているからありがたいんだけどね。県境に住んでいたわたしは、携帯を変えるのも大変で、県を跨げないとかいろいろあったのよ。
 docomoを信じていた間に、わたしは結婚して2人の子供に恵まれた。キャリアの変更は夫婦2人分。なんと…、隣の男は…、わたしを超えるdocomo卿だった…。
 docomo歴18年の女と、24年の男がキャリアを変える。なんて歴史的な日だろう…。18年と24年ってすごいと思うけど…。そんなことはまったく考慮されずに、キャリア変更はどんどん進行する。
 手続きをしてくださっている人が、docomoの人と電話であれこれ話している間にもいろいろなことを思い出す。
 あぁ、これで18年に幕を下ろす(隣の男は24年)。なんだか泣きそうだなぁと思い出に浸る。そして、変更の一環で、docomo人と電話口で話す作業があった。
 電話をかわると、驚くほど淡々と話す女性。
 『では、今までご利用ありがとうございました』そして切れる電話。
 思わず、『なんか、こんなもんなんですね。』と言ってしまった。
 『docomoというより、電話口の女性がね、少しトゲトゲされた方でしたね』
 そう、18年と24年の終わりは、誰が手続きしようが呆気ないのだ。
 少し明るくなるニュースとしては、キャリア変更時4万円をゲットできた。実際にに振り込まれる頃、既にわたしは、格安キャリアの携帯料金に満足していて、なぜ今までキャリア変更しなかったんだろう!?と本気で思っていた。
 だからこそ、こうやってネタとしてブログをかけているのかもしれない。
 そして昨日、またキャリア変更してきた。今回は月初めということもあり、夫婦2人で5万円の支給。みんな、どんどん定期的にキャリアと携帯料金を見直した方が良いと思う。
 現在、携帯料金は、夫婦2人で7000円ほどの料金になった。
 この値段にびっくりする人は、ぜひショッピングモールで風船を配っている人に吸い込まれに行ってほしい。

今すぐ行けないよって人は自力で検索してほしい。