◎家族縁の薄い久坂玄瑞
「久坂玄瑞の人生で一番打ちのめされたのが、嘉永六年(一八五三)六月からの半年間ではなかったかと思います。例のペリーが来ました。彼が十三・四歳のときです」
「十三歳!そんなに若い時だったのですか!」
「これは日本史上の大事件ですが、彼個人にとっても大事件がありました」
「どういう事でしょう?」
「ペリーが来たのは六月ですが、八月にはお母さんが亡くなります」
「あー・・・」
「その半年後の二月に、お兄さんの玄機が亡くなります」
「家族に不幸が続くのですね・・・」
「その一週間後に、お父さんが亡くなるのです」
「えー!」
「家族三人が、半年のうちに立て続けに亡くなり、十四歳で孤児になってしまうのです」
「なんと・・・」
「そういう気の毒なところがありまして、十四歳で久坂家を嗣ぐことになります。その前の名は秀三郎といいましたが、これから玄瑞と名乗ります。医者の名前ですね」
「はー」
◎文と結婚
「そういう身の上でしたが、意外に早く新しい家族ができます」
「はい」
「吉田松陰との出会いは安政三年ですが、正式入門は安政四年の夏頃です。その年の十二月に松陰の妹の文さんと結婚するのです」
「早いですね」
「十八歳ですね。文さんは十五歳です」
「若っ!」
「当時の女性としては、まあ平均年齢ですね」
「あら、そうなのですか」
「久坂は、早いと思いますけどね。これは師匠の松陰先生が、身寄りのない久坂の身を案じてのことだったようです」
「松陰先生が仲人役だったのですか」
「まあ、そんな感じです。松陰には妹が三人いまして、上のお姉さん二人(千代・寿)は、もう嫁にいって、もう文しか残っていませんでした」
「はい」
「今回の大河ドラマでは、松下村塾のアイドル的な存在として描くのではないですかね」
「文さんを・・・ですか」
「ええ、当時、十三・四歳ですからね。まあ、アイドルではないですか」
「アハハ。可愛いっていうこと?(笑)」
「いや、よくわかんないですけど(笑)」
◎不名誉な伝説
「しかし、この結婚については文さんにとっては、あまり芳しくないエピソードが世間に流布されていまして・・・」
「よく聞くのは、文さんがあまり可愛くなかったから、久坂が嫌がったとか
」
「あー、よくご存知で」
「やっぱり、そうなのですか」
「うーん、女性にとっては、なんというか、面白くないというか・・・」
「ホントですよ(怒)」
「腹立たしいというか・・・」
「見た目で判断するんじゃないよって(怒)」
「まあ、久坂もまだ十代で、未熟者だったということで」
「アハハ、そんなものでしょう(笑)」
「久坂玄瑞の人生で一番打ちのめされたのが、嘉永六年(一八五三)六月からの半年間ではなかったかと思います。例のペリーが来ました。彼が十三・四歳のときです」
「十三歳!そんなに若い時だったのですか!」
「これは日本史上の大事件ですが、彼個人にとっても大事件がありました」
「どういう事でしょう?」
「ペリーが来たのは六月ですが、八月にはお母さんが亡くなります」
「あー・・・」
「その半年後の二月に、お兄さんの玄機が亡くなります」
「家族に不幸が続くのですね・・・」
「その一週間後に、お父さんが亡くなるのです」
「えー!」
「家族三人が、半年のうちに立て続けに亡くなり、十四歳で孤児になってしまうのです」
「なんと・・・」
「そういう気の毒なところがありまして、十四歳で久坂家を嗣ぐことになります。その前の名は秀三郎といいましたが、これから玄瑞と名乗ります。医者の名前ですね」
「はー」
◎文と結婚
「そういう身の上でしたが、意外に早く新しい家族ができます」
「はい」
「吉田松陰との出会いは安政三年ですが、正式入門は安政四年の夏頃です。その年の十二月に松陰の妹の文さんと結婚するのです」
「早いですね」
「十八歳ですね。文さんは十五歳です」
「若っ!」
「当時の女性としては、まあ平均年齢ですね」
「あら、そうなのですか」
「久坂は、早いと思いますけどね。これは師匠の松陰先生が、身寄りのない久坂の身を案じてのことだったようです」
「松陰先生が仲人役だったのですか」
「まあ、そんな感じです。松陰には妹が三人いまして、上のお姉さん二人(千代・寿)は、もう嫁にいって、もう文しか残っていませんでした」
「はい」
「今回の大河ドラマでは、松下村塾のアイドル的な存在として描くのではないですかね」
「文さんを・・・ですか」
「ええ、当時、十三・四歳ですからね。まあ、アイドルではないですか」
「アハハ。可愛いっていうこと?(笑)」
「いや、よくわかんないですけど(笑)」
◎不名誉な伝説
「しかし、この結婚については文さんにとっては、あまり芳しくないエピソードが世間に流布されていまして・・・」
「よく聞くのは、文さんがあまり可愛くなかったから、久坂が嫌がったとか
」
「あー、よくご存知で」
「やっぱり、そうなのですか」
「うーん、女性にとっては、なんというか、面白くないというか・・・」
「ホントですよ(怒)」
「腹立たしいというか・・・」
「見た目で判断するんじゃないよって(怒)」
「まあ、久坂もまだ十代で、未熟者だったということで」
「アハハ、そんなものでしょう(笑)」