私がまだ学生だった頃の話です。

少し怖い要素があるので、怖い話が苦手な人は×で閉じてください。

それでは始めます・・・。

 

前に住んでいた家は心霊スポットの隣だったこともあって、悪夢を見たり丑三つ時に何かあったりといろいろありました。

私だけではなくて家族も色々体験しました。

 

ただ、心霊スポットの隣であることとは無関係の現象も1度だけありました。

今日はその話を書こうと思います。

 

それがいつごろからあったのかははっきりしません。

ただ、妙に気になる視線を感じることが何度もありました。

 

私の部屋の前から私の方を見ている視線を感じるようになったのです。

毎日ではなかったと思うのですが、ふと意識を向けると何か居るような気がしました。

 

その時の私は隣の公園が原因ではないかと思っていました。

 

そんなある日のことでした。

霊能者だった祖父が急に家に訪問してきました。

祖父は何かを感じ取るような感じで家の中の全ての部屋を見て回っていました。

 

特に離れの1階と2階を慎重に確認していたように感じました。

祖父が私の部屋に入ってきた時の表情はとても険しいものでした。

 

私は一瞬ドキっとしました。

何かしてしまったんだろうか・・・?

 

しばらくしてから父と祖父が私の部屋までやってきました。

 

 

祖父「3体の水子霊がいる」

 

私「水子霊!?」

 

祖父「一度もこの世に肉体を持って生まれてこれずに、この世を去った霊が3体いる」

 

父「お母さんはな、実は兄が生まれる前に3回も流産していたんだ」

 

私「その話初めて聞いたんだけど!」

 

祖父「その3体の霊がお前たち3人(私と兄弟)のことをとても羨ましいと感じているようだ」

 

私「どうして羨ましいの?」

 

私「生きていたら苦しいことも辛いこともたくさんあるのに・・・」

 

父「この世に生まれてくることが出来なかった存在にとっては、生まれてこれただけでも奇跡でありとても羨ましいことでもある」

 

私「そういうものかなぁ、生きていると大変な苦労も多いのに」

 

祖父「3体の霊は離れのあちこちを行ったり来たりしてはお前たち3人をずっと見ていた」

 

父「この世に生まれてくることが出来なかったんだ、本来ならばお前たちの兄や姉になっていたはずの子供達だった」

 

父「自分達は生まれてこれなかったのに、普通にこの世に生を受けたお前たちを羨ましいと思うのは当然のことだ」

 

祖父「お前たちは今まで3体の霊の存在を全く知ることはなかった、霊にとってはそれが悲しいことだと感じていた」

 

祖父「自分達が居たことを覚えていて欲しいと訴えている」

 

祖父「分かって欲しい思いから離れに居座っていた」

 

父「要はお前たち兄弟が生まれる前に本来ならばこの世に生まれてくるはずだった兄弟が居たことを覚えておいて欲しいということだ」

 

私「わかった、絶対に忘れないよ」

 

 

私は少し複雑な気持ちを抱きました。

両親は子供を産むなら3人までと決めていたようです。

もし、私より先に生まれるはずだった兄弟達が流産することがなく生まれてくることが出来たとしたら、私も兄も弟もこの世には存在しなかったわけです。

 

もしかしたら、私達兄弟ではなくて先に生まれてきた3体の霊の方が肉体を持ってこの世で生きていたかもしれないのです。

私の方がこの世に存在しなかった可能性もあったわけですから、何となく複雑な気持ちになってしまったのです。

 

そういう並行世界も存在しているかもしれませんが・・・。

 

きっと水子霊3体は私が感じた複雑な気持ちを抱いて私達をずっと見ていたのかもしれません。

3体の水子霊は祖父が供養してくれました。