ホームに滑り込んできた電車に乗り込むと
まだ、まばらな乗客の間をすり抜け
猫背の彼の隣に並んだ。
「大野さん、おはようございます」
『櫻井さん、おはよう』
俺の視線に合わせるように
上目遣いで挨拶をくれる大野さん。
『櫻井さんもこの時間に変えたの?』
「ええ………」
大野さんに会いたいから………。
いくら会社が同じとはいえ、
そう顔を会わせる事もなければ
帰りに一緒になることもまばらだ。
朝の通勤時間が唯一二人でいられるのだから
早起き位なんともない。
出来れば今日は夜も一緒に過ごしたいところだけど………。
『櫻井さん、カレー好き?』
「好きです」
『良かったら食べに来ない?』
「え!いいの?」
思わず声が大きくなってまわりに謝る。
『ん………作りすぎて………むしろ食べて?』
あ………その目線で食べて………は、ヤバイ。
『他に食べたいものあれば作るけど………』
いや、食べたいものはあるけども………。
『なんかある??』
「大野さん………かな」
『ん?俺??』
「あ!!………の手料理ならなんでも」
『ふふ、俺じゃなくて?(笑)』
「そっちも………食べてもいいの?」
『………ばぁか』
悪態をついたその口が
小さな声でいいよと呟く。
ただ、心臓の音だけが
俺のまわりを埋め尽くしていた気がした。
まだ、まばらな乗客の間をすり抜け
猫背の彼の隣に並んだ。
「大野さん、おはようございます」
『櫻井さん、おはよう』
俺の視線に合わせるように
上目遣いで挨拶をくれる大野さん。
『櫻井さんもこの時間に変えたの?』
「ええ………」
大野さんに会いたいから………。
いくら会社が同じとはいえ、
そう顔を会わせる事もなければ
帰りに一緒になることもまばらだ。
朝の通勤時間が唯一二人でいられるのだから
早起き位なんともない。
出来れば今日は夜も一緒に過ごしたいところだけど………。
『櫻井さん、カレー好き?』
「好きです」
『良かったら食べに来ない?』
「え!いいの?」
思わず声が大きくなってまわりに謝る。
『ん………作りすぎて………むしろ食べて?』
あ………その目線で食べて………は、ヤバイ。
『他に食べたいものあれば作るけど………』
いや、食べたいものはあるけども………。
『なんかある??』
「大野さん………かな」
『ん?俺??』
「あ!!………の手料理ならなんでも」
『ふふ、俺じゃなくて?(笑)』
「そっちも………食べてもいいの?」
『………ばぁか』
悪態をついたその口が
小さな声でいいよと呟く。
ただ、心臓の音だけが
俺のまわりを埋め尽くしていた気がした。