朝から凄い雪でさ...
暑いのは得意なんだけど...
寒いのは苦手...
少し前の俺ならサボっちゃえ...有給使わなきゃ流れちゃうし...なんて、思っただろうけど...今日はどうしても休めなくて...。
昨日から“大雪に警戒“ ってあちこちで言っていたから『ついてないな...』なんて悪態を吐きながらもいつもより早足で駅に向かった
案の定...電車は満員。
そりゃあ...真夏の満員電車よりはマシかもしれないけど...足元は不愉快極まりない
普段なら気にならない電車の揺れにも文句を言いたくなる...
はずだったのに...
『...すみませ..』
少し上から聞こえた声は
聴き間違うはずのない声
翔君...櫻井翔...君。
『...いえ...』
一言返すのが精一杯...
いつもは遠くから眺めるだけの綺麗な顔をこんな間近で拝めるなんて...この状況も悪くない...満員電車、サイコー。雪、ありがとう。
勇気を出して会話を続けた...
やっと話せたんだもん
あと少しで降りる駅に着く...
この電車を降りたら
また、俺は遠くから翔君を眺める事しか出来ないのだから...
無情にも電車はホームに滑り込み
人の波に押し出されそうになる俺をエスコートしてくれる翔君...心地良い...
こーゆー事もかっこよくしちゃうの...驚いちゃった...
やっぱり...スゲーな...
もう少し...近付きたいな...友達になりたいな...本当は...もっと、もっと…仲良くなりたい
つい...『櫻井さん』なんて言っちゃったから...俺が翔君の事を知ってるのがバレちゃって...『しまった...』と思ったけど後の祭り
自分も名乗って...これで終わりのはずだったのに...飲みのお誘い...
ふふ...///
雪、サイコー。
普段から満員電車が嫌で一本早い電車で通勤する俺。
雪だから、って普段乗らない奴らが俺の電車に溢れたのが気に入らなかったけど...(俺の電車じゃないけど)翔君に誘ってもらえたから...
こんな朝は...
控えめに言っても...
サイ... っ、コー!