長「大野さん...
どうか...こちらでお待ち下さい」

智「え?やだよ?ついてくよ」

翔「智君、お願いだから長野の言う通りにしてくれないか...、これ以上...家の恥を晒したくないんだ...」

智「...翔君のようなお金持ちの御家騒動なんて貧乏人の俺には到底、理解出来ないから?」

翔「そんな事思ってない!!...ただ...、本音は...二度とアイツに会わせたくないんだ...」

智「何か勘違いしてない??
あの子は...今まで俺に色々してきた奴らとは違うよ?だって...あの子の目的は俺じゃなくて翔君だもん。翔君はあの子が自分に嫌がらせしてると思ってるみたいだけど違う...長野さんが言っていた通り翔君の事が大好きだから翔君が大切にするものに嫉妬してるんだ...
そんな可愛い弟に何をしようってんだよ?
俺は間違った思い込みしてる翔君があの子を傷付けてしまうのをやめさせなきゃなんないの!」


翔「そんなワケないだろ??アイツが俺を好きだなんて...あるわけない!」

智「うるさい!!!」

翔「...智君...!」

智「翔君は、あの子とちゃんと話した事があるの?どうして、そんな風に斜めからしか見ないの?
特殊な関係かもしれないけど...あの子は、ただ...お兄ちゃんに構って欲しいんだよ!寂しいの!
間違ったやり方だけど...そんな事をしてでも翔君に自分の存在をアピールしてんだよ!」

翔「...何も知らない癖に...偉そうに言うなよ!
愛人を何人も作って...何人もの子供を作って...母さんや、俺がどんな思いで...
智君には分かんねぇよ!うるさいのはお前だろ!」




智「......そ...う...ごめ...ん」





翔「...‼︎... 智君...ごめ...ん...違う...
...‼︎待って!行かないで!」



長「大野さん!お待ちください!
翔、お前はここにいろ。頭を冷やせ...」



⭐︎



俺は...調子に乗ってた...

翔君の言った通りだ...

何も知らないで偉そうな事、言っちゃった...

ダメだなぁ...おれぇ...


ふふ...


母ちゃんも家庭のある人を好きになって
俺を産んで一人で育ててくれた...

薄々は気付いていた...
松兄が母ちゃんの手帳を見つけてくれて答え合わせが出来ただけで...俺は分かっていたんだ


子供の頃
いつか...父ちゃんに会えるかもしれないと
待っていたのも...嘘じゃない...


でも...

そんな考えは...

本妻の子供にとっては...
どうなんだろう


今の、翔君の気持ちと同じなんだろう...

俺は...自分の方が不幸だと思っていた
俺は...母ちゃんの方が辛いと思ってた

でも、違った

本妻の気持ち
本妻の子供の気持ち...

これっぽっちも分かってなかった

























あら?喧嘩した。