あ......

翔君...。


俺も早目に着いたはずなのに
既に翔君がいた...
駅の入り口
柱にもたれてスマホいじってる

少し離れた場所には女の子二人組が
翔君を見つめながら何やら会議中

その二人組の反対側にも
作戦会議中の二人組

やっぱり、モテるよね...
あんなイケメンで...
何してもカッコいいんだもん

うわぁ......

スマホ見ながら笑ってる...
右手にスマホ握って
左手の人差し指で目尻をポリポリしながら
ニッコリ笑って...

うわぁうわぁ...

女の子達の目が
ピンク色の♡飛ばしてる...

もう少し見ていたいけど
もう時間だし
仕方なく翔君の方に歩いて行った

智「お待たせ?」

翔「智君!待ってないよ?まだ時間より早いよ。お疲れ様。定時で上がれたんだね」

智「うん。翔君もお疲れ様」

その時...東側の女の子二人が声をかけてきた

「...あの...、このお店知りませんか?」

翔「ああ...」

女の子が見せてきたスマホの画面をチョンチョンと操作してあっという間に地図を表示させ

翔「この通り歩けば行けると思いますよ。行こう、智君」

「‼︎...あ!あの...良かったら一緒に...『失礼』」

翔君はまだ何か話したそうにしている女の子達に塩をぶちまけて俺の背に手を当てて
女どもに見せた冷たい表顔を一変し

翔「行こう」

と、歩き出した


智「慣れてんだね?」

翔「ん?」

智「ナンパ。逆ナンて言うんだっけ?」

翔「そんな事ないよ。折角の智君との時間を邪魔されて...最悪だよ、ほんと」

智「あはは...翔君って、面白いね(笑)」

翔「へ?俺??...褒めてる?呆れてる?」

智「褒めてんの。...さ、何食べる?」

翔「嫌だったら遠慮なく言って欲しいんだけど...少し先に海鮮が美味い店があるんだ。そんな高くないんだけど...今日は智君とゆっくり飲みたくて...」

智「うん、いいよ。そこ行こう?俺、魚すき」