智「人それぞれ…」
サ「そう。君の考え方も間違いじゃない
でも、その考え方は君の大好きな先生にとってはたった一つの解答ではないかもしれないよ?」
シ「君は…自分の病気が分かった時、大好きな先生に治療に関わって欲しくないと言ったんだよね?それは...もし...も、の時に助けられなかったと苦しめたくない、からと言ったよね」
智「…はい…」
シ「身内の治療には出来るだけ関わらない方がいいのかもしれないけど…俺だったら、諦めから始まっている君に…悲しくなるな。
俺がその大好きな先生なら治してくれと頼ってもらいたいな…」
先生に似てるショウさんにそう言われると胸の奥がチクンとする…
サ「どうして諦めてるの?今、君は生きてるよね?もしかして…悲劇のヒロインを気取ってるの?」
智「‼︎‼︎そんなつもり!!」
サ「ないの?僕には…『好きなら.,.耕太さんよりも好きなら...見つけてよ』って駄々っ子が森の中で蹲ってるように見えるよ。見つけて欲しいから一歩も動かず同じ場所で蹲ってる」
シ「サトシ君?どうした?」
サ「僕も…僕もそうだったから…
ショウ君の事が大好きで諦められないから
気を引きたくて、構ってほしくて、だから…
いい子ぶって聞き分けのいいフリして身を引いた
でも、本当は見つけて欲しかった。
僕だけを…愛して欲しいとずっと叫んでた…」
シ「サトシ...」
ショウさんは優しく、でも…とても後悔の表情でサトシさんの肩を抱いた
サ「ごめ…ん、何熱くなってんだろ(笑)
失礼な事、言っちゃった…ごめんね…
僕…は君に…」
シ「…後悔はして欲しくないんだよね…」
サ「僕は…こうして沢山の手に助けられて今、とても幸せだから…だから君も。
君は死なない。松兄は絶対に助けてくれる。それなのに全てを諦めたような顔してないで、素直になりなよ」
この表情…耕太さんに似てる
意地悪じゃない…俺の事を想って叱ってくれてるんだ…だって…うっすら目が潤んでる
きっと、この二人は俺が考えているよりずっと命の重さを知っている…
シ「サトシ君、カイト…」
サ「寝ちゃったね…」
シ「風邪ひくといけないから…先に戻っていて?」
サ「ショウ君は?」
シ「もう少し彼と話してみたいから…」
"場所変えようか?"
中庭のすぐ横、暖かい室内テラスに案内された。
"大丈夫?具合悪くない??"
サトシさんと同じ優しい声…
空を見上げた…
プードルは言えても
アルパカはアウパパなはず。