詩7:部屋の朝 | whale song ~白い鯨のウタ~

whale song ~白い鯨のウタ~

kikuishi*tomo* 菊石朋

*詩はオリジナルで、練習、スケッチのように気軽に書いたものです。たずねてくれて、読んでくれて、ありがとうございます。

/部屋の朝



走り去る砂音


鳴り止まない頭骨に影、枕に縄文、


朝には砂に変わる時間、と


目覚めに香るオフィーリアの胸、


花が好きよと、水色の唇が注ぎこむ


言葉、そそぎこむじょうもん


コトバとその、器の無知に、


器は燃える、黒髪


女が踊る頭骨のテーブル、


さかさまの想像力、


器は真っ青に恥じる朝


を知る、


それでも、なお夜を迎えて




空白のキッチン、縄文の汚れ


シーツはベッドにまたがり


朝の表皮に


渇いた貝殻の血流音、


空白は砂をあいする、


今日だけ、


死塗れの海をここに呼ぼうよ




冷蔵庫に海水と紅鮭、と牛乳、


砂は毀れる、隙間だらけの書物を


とうとうとう、と流れる、


閉塞感から訪れる、パソコンの背を


クジラの眼をした情報の核が、


収集されない今日への衝動、


無音の隅に倒れこむ女の声、(白百合)


明日も来るわと、黒い髪の、女




深夜時間は嵐を待つ、


円錐に沈没してゆく言葉の


土、を舐める兵士の亡霊、


は女を抱く、朝には眠りたい


沈黙は海水を呼び、冷蔵庫の、中。


此処は島、黄色い汽船の碇泊


女は黙っている


明日も来るわと黙っている


縄文のオフィーリアよ、


頭骨の寂しい


砂に濡れた朝よ



「whale song」