2024年-令和6年3月5日 シネ・ヌーヴォ


昭和12年作品


小津安二郎特集、初見。大学教授小宮(斎藤達雄)の妻時子(栗島すみ子)は恐妻、暮らしぶりはかなり裕福であった。そこへ大阪から活発な姪の節子(桑野通子)が舞い込んでくる。この様な状況はよく有る設定かと思いますが恐れを知らない通子の行動、言動は明らかに当時の日本の常識の範疇では無く、完全にアメリカナイズされている。ドラマの展開は観てのお楽しみで、気になるタイトルが意味する所ですが、私は2つの事に気付きました。1つは通子の唆して小宮が時子にとった行動以降の時子の様子の変わり様。もう1つは、その後に通子が思っていなかった小宮の行動で知らなかった夫婦の絆の奥深さ知ると言う件が、タイトルが意味する“淑女の”忘れていたものなんですね!

戦時色は一切感じられない昭和12年の日本が目指そうとしていた理想が描かれていました。

成瀬巳喜男監督の「流れる」(1956)で戦前からのスターと紹介されていた栗島すみ子、その戦前の作品をやっと観る事が出来ました。