2023年-令和5年12月5日 シネ・ヌーヴォ


昭和28年作品


本作品は22年5月に当劇場で観ています。田中絹代の第1回監督作品。1作目なので監督としてのスタイルは分かりませんが、当時の日本映画界の総力戦で製作されているのを感じます。

作品の内容、台詞、配役が素晴らしいのは認識していましたが、再見しカメラが良いのを確認しました。

戦争で狂わされた人生、その整理も出来ず、それぞれの苦しみを2重、3重に背負って生きざるを得ない人々、それは総括とは言えないものの、その現実をしっかりと認識し描いている事が確認できます。誰しも触れたくは無いけど、それらの現実をしっかりと噛み締め、その日々と立ち向かわなければ、更に重荷が増していく辛い人々の日常が描かれています。