2020年-令和2年6月6日 大阪ステーションシティシネマ スクリーン9

昭和24年作品

コロナの影響は悪いことばかりでは無い、3月に終了するはずだった「午前十時の映画祭」も時間関係なしに上映されていたり、「男はつらいよ」も全50作の一挙上映企画や「松竹シネマクラシックス」と称し小津安二郎監督作品を中心に10作品が上映されています。
さて本作品、20代の82年5月に今は無き毎日ホールで、13年6月に録画で観ています。
若い頃は明るさが有る「麦秋」(1951)の方が、分かりやすく、ユーモア効いていて好みだったのだけど、年を取って本作品で描かれた事がしみじみと分かって来ましたね。
後半、ラストにかけて娘(原節子)が嫁ぐ事が決まってからの幾つものエピソードは珠玉の表現で、名場面の連続です。
お話の舞台は鎌倉なんですけど、珠玉の表現を京都で決めていく演出も素晴らしいね。
東寺、清水寺、高台寺と締め括っていく。
名作です。

追記、娘と父(笠智衆)の思い出の京都の旅の最後の夜(パッケージのシーン)娘は、このままお父様とずっと一緒にいたいと言い出しますが、父はそりゃダメだよ、君たちは結婚して幸せを見つけていくんだよ、それが1年後になるのか、5年後なのか、10年年後なのかは分からないけどと切々に諭します。お父さん(56才の設定)はもう・・・と、観ていて泣いちゃいます。