2019年-令和元年12月24日 シネ・ヌーヴォ

昭和30年作品

やー来ましたね久々に、これだから映画は辞められないと言う作品に出会いましたよ。
戦後10年の東京・大阪の貴重なロケ映像も盛り沢山。
さて、作品のベースは通俗的な離婚問題を扱っているんだけど、そこに戦前の奉天の話が絡み、大都市銀座のノワールな世界が破綻無く展開するのに恐れ入る。演出の妙でもある森繁久弥の歌やナレーションも作品に魅力を与えている。
俳優は月丘夢路がなんと言っても綺麗なのが魅力、そこに突然大阪からやって来る姪役の北原三枝が戦後を象徴するかの様な自由奔放さで観客を魅了する。そして15才の浅丘ルリ子が登場するから夢の様な状況だ。
主人公は銀座で揉まれて育った花屋を営む三橋達也の一貫とした正義感が作品の精神となっている、ラストシーンの顔つきも良い。