29位:COCCO(拒食症)
『COCCOさんは、女性シンガーソングライターで、その他にも女優や絵本作家、エッセイスト、小説家など幅広く活躍されています。
COCCOさんも、様々な精神疾患に悩まされていたそうで、摂食障害で拒食症となった背景には、家庭環境が原因とも言われていました』

 


①天報星

②申酉天中殺 日干→月支、日干暗合辛

③干合過多+地支に火性なし

④日年 大半会+牽牛星

⑤社会に破、家庭に合

 

日年、月年と位相法に「月支」が絡む場合は、生きている「今」の心の在り方への影響と考えています。

 

内(支合)は家庭、日常生活(人間関係)、外(破)は社会や外の生活(人間関係)です。

 

内側の子丑の支合は北方支合です。

北は精神の帰結。子も丑も北方で水の気は強くなりますが、それよりも、精神の結果を目指す連結のほうを重視します。自分の思い通りの結果を実現しようとする強い作用です。


北方支合の特徴は、現実のあり方とは無関係に(手段や現状を考えずに)、精神と現実の一致だけにこだわるところです。周囲の状況を考えないわがままになることもあれば、美しき自己実現になる可能性もあります。

 

連結される癸は牽牛星。自尊心(単なるプライドではなく)の一致です。

精神のこだわりの中身は、役割を果たす使命感としての牽牛星でしょう。

そこに強い実現意識が働くので、自分のやっていることが自尊心から外れたことになるほど、耐えられなくなります。

 

『最近は月に2~3回沖縄に帰っているというCocco。しかし普天間基地問題がその後の選挙やワールドカップの盛り上がりにとって変えられ、今では反対するデモや運動もすっかりみなくなってしまったことへの大きな戸惑いがあるようだ。「沖縄に行った時にすごい衝撃的で。“あ~、もう怒ってる人わたしだけなんだ”って」』

 

「その2」で書いたアルバム『エメラルド』完成の時のインタビューの記事です。

「怒っている人わたしだけ」という部分の「怒っている私」が故郷への強いこだわりが支合して役割意識として埋め込まれているところだろうと思います。

 

その他でも、バレーを続けるための手段として歌を続けてきたことへの後悔と反省で、2001年に歌手活動を辞めた時期がありました。

 

『活動を中止したのは歌を好きになったから。それまではただ10億円貯めるのが目的の復讐の道具だったのでいつでも辞められると思っていたが、いつしかツアーの終わりが近づくと寂しくなり、もっとみんなで一緒にいたいと思うようになっていた。

そのため、不純な動機でのデビューから積み上げてきたものを一旦全部崩して「歌が好き」という前提で組み直さないと駄目だと思った。また歌が生まれるスピードが速くなってCDとして発表するまでの時差がウソをついてるように感じることも理由として挙げていた』

 

復讐の道具というのは、バレーのオーディションを受けて落とした人たちに、歌手で成功して見返してやろうと思ったことを指しています。

そうした動機でしたが、歌が好きになってくるにつれて、自分を騙して歌うことがつらくなってきたようです。

これもまた、自尊心支合が嘘の自分を許せないというこだわりの反作用でしょう。

異なる方向へ行き過ぎたと感じると、日干天報星の手のひら返しが起こります。

 

月年「丑辰の破」は、土性の「破」なので、形としては庫気刑が入る破と同じです。

細かい気づきと気づいたことへの修復力です。若い時はナーバスになって、それが言葉として尖って出ていくので、口うるさくなる場面もあったでしょう。

 

ただ、土性の場合は、地支本元が陰陽和合するので、鳳閣星調舒星の二連変化の意味で調整するという感じになります。

この二連は、表向きは鳳閣星の穏やかさですが、内面では思いを貫くという意志力になります。自分の主張や生き方は曲げません。

これがこだわりの強さになって、表現力に独自性をもたらしているのだと思います。

 

ただ、どちらの位相法も拘束力が強くて、内的葛藤が大きくなるもので、これも自分をいじめることの大きな要因だろうと思います。

 

 

 

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