天印星の「有中の無」は人間世界では、最大の弱者として存在します。
その中にある「無」は意識できるものではなく、しかしそれは確かに自分の中に貫かれているもので、それは、与えられた環境の中にあると考えられます。
なので、自分の本質(無の部分)を現実世界で表すってことはできません。
そこで、天印星はまず、回りの人間と与えられた環境のなすがままを受け入れることで無の世界を取り入れる作業をします(甘受する心)。
推論ですが、天報星同様、天印星は先祖霊魂の近くにいるように思います。
生家環境の中に、自分の歩むべき道のヒントが現れていると考えてみたいです。
受け入れたことの中に、生きる目的や役割があるってことです。
また、天印星の周りに関わる人たちは、その天印星が発揮する引力(周囲の人を吸収しようとする力)に引き込まれて行きます。
多生の縁とは前世縁のことです。輪廻が暗示されていますが、仏教的な前世ではなく魂の連なりという意味です。
なのでこの縁は、星のように、剋線が起こす誰もを引き付ける魅力本能ではありません。関係者^^が引き込まれるってことでしょう。
逆からみれば、引き込まれる人の霊魂は、引き込む天印星の人となんらかのつながりがある(あった)と推論できます。
『物事の原因はすべからく無から有へ転じようとする行程の中で起きるものであり、有になってしまえばそれはすでに結果であります』
天印星の説明の中に出てくる一文です。
問題意識がなくて、占いの技術向上を目的に読んでいると、ひっかかることなく過ぎてしまう言葉なのですが、霊魂や陰陽に意識が向かっていると、「無」ってなんのこと? という疑問で立ち止まることができます。
天印星自身まさに無(非現実の世界)から有(赤ん坊)へと転じてきた第一歩に位置して、つまり、「結果」ってことです。
因果とは言わずに、因と報という言葉で表しています。
結果とは、むくいであり、お返しをするであり、知らせるということです。
「親の因果が子に報い」の「報」です。
前世の結果が現世で現れること、といいたいのだと思います。
人間界で起こることはすべてこの「無から有へ転じようとする行為の中で起きる」ってことだと思います。
有形のスタートである天印星にこの意味が課せられているってことは、目の前の現実は、赤ん坊が生まれた瞬間と同じってことです。
無から有が生じた結果で、それは単なる結果ではなく、前世(天報星)からの「報い」ということで、天印星はまさに無から生まれた結果の人ってことになります^^
その意味では、自分の欲得や意志ではなく、無心の行動ができると、それが天印星本来の生き方につながりやすいということで、他者からは、自分勝手に我が道を行っているように思われても、そこから本来の道が開けるのが、天印星人生の特徴といえるようにも思います。
赤子の無垢、純心さが、身勝手さを周囲に認めさせる見えない力になっています。
天印星の無心の行動こそ、この世に生を受けた意味(霊魂の役割を果たす)なのだと思えてきます。
じゃ、有心の行動とは何かといえば、「人間の」が「有」を価値としてそれを求める心です。
それは人が生きる上では必要不可欠で、無が〇で有が×では、もちろんありません。
ただですね、それが人生を苦しいものにしていることも、確かだと思うのです^^
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