十二大従星を時間の順に観て行きます。
★天報星
従星の中でも最も理解しにくいのが天報星です。
天報星で動く日干支は6つのうち5つが異常干支です。
最初の図でもわかるように、天報星は前世からの霊魂が現世へと転生する時のエネルギーです。
具体的には、母体の中で受精卵が前世の気と今世の気を混在させながら、人間の胎児として成長していく時のエネルギーです。
前世という一つの時を終えて、現世という新しい時へと転生する姿。
これがこのエネルギーの最大の特徴です。
「出発と終結二つの意味があり、人生においてこの二つの役割を演じて行く」といわれるのですが、これが具体的に何を意味するのかは、例えば、天報星を持つ日干支の人だったとしても、実感することは難しいでしょう。
これが、前世を終えて一区切りつけて、新しい世界で出発する、という意味ならとてもわかりやすいのですが、そういう二つの在り方ではありません。
母体内の胎児の変化をみても、その一つ一つの瞬間につねに、出発と終結という二つの相反する時間が組み込まれています。
一定のスピードの中で、宿命(人間)の元を作る作業です。
二つの矛盾を内包するエネルギーはバランスが崩れてはいけない作業を動いているものの中で行うことになります。
天性のバランス感覚を持ち、古典的な言い方をすれば、平穏平和な時代よりも、時代が新しい時代へと移り変わる動乱の時代に活躍の場があります。
具体的には、受精卵が人間という形を持つためのプロセス(胎児を形創る)で、陰陽をバランスよく融合させて、一つの有を作る作業です。
出発とは何かといえば、前世(霊魂)のことで、終結とは今世(人間)のことです。
天報星は霊感の強さを内在する干支です。
霊魂を扱うエネルギーですから当然です。ただ、誰もが予言的能力を持っているわけではありません。
明確でなかったとしても、有形から無形を感知したり、物事の本質を見抜いたり、そうした能力は日常的に発揮されています。
日常的ということは、自分の中では当たり前のことなので、それが能力という認識がないことのほうが多いでしょう。
他の条件が加われば、未来を予測したり、人の前世を読み当てたりという霊能力として顕在することもあると思います。
天報星の本質は、「二つの間」にあることです。
争いの時、多くは味方の勝利を考えているときに、天報星は敵の勝利のことも考えます。無意識に、二つの立場を感知する立ち位置にいます。
その意味では冷静で客観的なのですが、味方からすれば、何を考えているのかわからない人となり、誤解されやすい(理解されない)本質を抱えています。
日常的には、一つの現象を二つの側面からとらえる本性は抜けません。
例えば、出来上がった料理があれば、出発(材料)から結末(料理)の両方を知りたいという欲求が生まれて、自分で一度作ってみます。
だからといって、料理人になりたいという願望が生まれるわけではなく、それで満足することの方が多いのです。
当たる占いに出会えば、出発(占い理論)から結末(当たる)の成り立ちを知りたくなり、技術だけでなく、原理を学ぶところから、占えるところまでたどり着いて納得するようになります。
簡単な事柄なら、知ったところで終わります。エネルギーはそれで満たされる。
それが飽きっぽい、気まぐれ、と評されるところです。
実際は、そのプロセスが大事なので、身に着けたものをどうこうするということは二の次なのです。だから、簡単なことは長続きしません。
でも、天報星が、算命学のような原理から占えるまでに途方もない時間と学習が必要となる占いに興味を感じてしまうと、集中力にはムラがあったとしても、天報星らしからぬ、長い時間関わるようになることもあります(胎児を完成させます)。
この、出発と結末を読み取る能力は、予知能力にもなります。
目の前の現象(人でもモノでも精神でも)がどこからきて、どこへ行くのかを自然な発想として常に思考に入り込みます。
単なる直感ではなく、流れを読む力が鋭いということでしょう。
これは創造力にもなるし、人を育てたり、物を育てたりする、教育者的資質、プロデュース能力にもつながります。
ー続くー
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