さて、命式の外観はだいたい分かったと思います。今はわからなくても、これからたびたび出てくるので、その時に概要がわかっていると、早く理解できると思います。
次は最大の問題、3柱10干の命式から、どうやって霊魂の姿を知ることができるのか、その方法を探っていきましょう。
これまでの話しの要点を図にするとこうなります。
神が陰陽に分かれて二つの世界が出来上がります。
私たちのいるこの世界は、単独であるのではなくて、大きな宇宙を反映する形で成り立っている小宇宙(ミクロコスモス)です。
算命学は何を占うのかというと、大宇宙の法則を人間世界に当てはめて、そこから人間を動かしている原理を導き出し、個々の人間のありようを探ろうというものです。
でも、前回言ったように、人間に備わった霊魂は、必ずしも自然の法則で生きたいわけではありません。ここに人生の大変さがあります。
まずは、その霊魂の中身を知る必要があります。
これから解明しようという「霊魂」は小宇宙を陰陽で分けた場合の「陽」の精神の部分です。これを陽占といいます。
陽占法とは「霊魂の精神的想念を知る」ための占技です。
もうひとつの人間の構成要素である肉体は、その精神を現実行動の中で表す働きをしています。その肉体の行動規範を知るための占いが、陰占です。
陰占とは「肉体の現実的行為を知る」ための占技です。
算命学は大きく分けると、陽占と陰占から成り立つ占術で、『占技というものは一つの技術でありますが、その技術をもって人間の真理を知らしめようとしているのがこの「算命学」であります』<原典算命学大系11巻>
みなさんもこの精神に則って算命学を学んでください。
それでは、霊魂を知るためにはどうするのかをみて行きます。
「分裂理論」という言葉がありますが、これは霊魂の「融合作用」の反対語です。
でも陰陽は一つですから、融合の中にはすでに分裂は含まれていて、融合なしに分裂はありません。融合もずっと融合し続けることはありません。
この二つは同一線上にあります。
霊魂は単一にあるわけではなく、宿核のところでやったように、さまざまな周囲の気を取り入れて融合されて成り立っています。
そのくっついているものを剥がして、分類することで霊魂の「思い」を知るという技術が陽占法のメイン作業です。
その分類の方法として「星」という象徴語が使われています。
算命学というと「〇〇星」というくらい、有名な「星」ですが、これは単に人間の性格や傾向を知るための占い用語ではなく、霊魂の思いを知るために使われている象徴的なシンボルということです。
分裂分類という意味では、前回観てきた場所別に充当されているのも、分類された霊魂の姿です。
霊魂がこの世に姿を見せているのが人間です。
その姿がどんなものかを知るのがスピリチュアルな算命学です。
それぞれの霊魂の姿が、星という名称で表されているということです。
その星はどうやって導き出されるのか?
『星の算出は、生年月日の干支の中で「生日の干」に着目しなければなりません。
六十干支によって表出された生年月日は、すべて「生日の干(十干)」を窓口として変化するわけです。生月や生年が窓口になることはありませんので他の干を使わないでください』<原典算命学大系第3巻>
「生月や生年が窓口になることはありません」と書かれていますたが、まったくないわけでもなくて、大昔は年干から星を出していた時代もあったようです。
また、幼少のころの姿を月干を日干代わりに使う技法もあります。
それは特殊なことで、原則は心を作っている日干がすべての星を導き出す働きを担当します。
図で、神ー小宇宙(人間の心)ー人間(霊魂と肉体)という流れがありました。
この人間の心が命式でいうところの「生日の干」(日干)のことです。
陽占法は、日干が他の干にアクセスして、霊魂を分裂する形で「星」を導き出すところから始まります。
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