『1995年のBBCの番組のインタビューでダイアナは何年も過食症に苦しんでいることを明らかにした。ダイアナはインタビューの中で「プレッシャーに影響されました。公務で外出する日は胃も心も空虚になって帰宅するのが常でした。帰宅すると先ほどまでたくさんの人を慰めていたのに、自分自身をどう慰めたらいいか分からず、冷蔵庫の中の食べ物を胃の中に流し込むのが習慣になってしまったのです」「一日に4回か5回、時にはそれ以上お腹一杯に食べます。すると気分が楽になります。二本の腕で抱かれているような気分になるのです。でもそれは一時的なものです」とその苦しみを語っている』(Wikipedia)

 

夫であるチャールズ皇太子にはカミラさんという結婚前から付き合いがあった女性がいました。

天干の乙甲辛という並びで、辛は偏夫干です。自分と夫の間に「甲」が割って入っている形です。乙にとって、夫をみる時には甲は自分と夫を邪魔する人になります。

そしてその通りに、夫には愛人がいました。

 

この形は一般でも見かける構図で、実際に、恋愛に邪魔が入りやすいとか、三角関係になりやすいとか占うのですが、比較的的中度の高い占い予測になっています。

 

『1993年に皇太子とカミラが愛をささやき合っている電話のテープをマスコミが入手し、これが報道されたことで皇太子批判が高まった。別居後のダイアナは皇太子とカミラの関係に無関心を装っていたが、実際にはお抱えの占星術師にカミラの星座チャートを調べさせて二人の運勢を占わせるなどかなり気にしている様子だったという』

<Wikipedia>

 

結婚前は姉でこの関係は支合できるので、羨望やライバル意識はあっても、仲の良い姉妹を作れる形ですが、夫とは日年の天剋地冲で自分は夫に剋されて、現実もまた未は丑に一方的に激剋される形で、天剋地冲の中でももっとも一方通行になり、乙未の受ける影響が大きい形です。

 

ただ、地冲のほうは土性同士なので、本元の己が共通でこれが分裂を防ぐ働きをします。己は禄存星。この星の燃焼がダイアナ妃にとっては、自分を救う鍵になります。

 

天剋地冲は親の場所(両親)から、精神も現実も激剋される形です。

相性の天剋地冲でもそうですが、一方的な場合は、乙未がダメになるとは限らず、通常は強いほうの辛丑が乙未の面倒を見るような形になります。

乙未が無力化するのですが、それゆえに打つ側(辛丑)が面倒を見るようになります。

 

強い母に抵抗できなくて、従うのですが、母によっては、黙っていても、いいようにしてくれるということはあり得ます。

ダイアナ妃の場合は、抵抗できない母が専制的であったために、天剋地冲が一方的に打たれるだけのつらいケースになってしまいました。

 

一方で夫(辛)と愛人(甲)の関係は「害」です。

「関係が害」というと悪いイメージになりますが、抵抗できないという意味と受容するという受け身の関係が成り立つと、「どこにもたどり着けないゆらゆら揺れる小舟に乗っている」という間柄になって、長続きすることはよくあります。

特に、不倫のような関係(たどりつかなくてもその時が良ければよいという関係)においては、害が良好に作用することもあります。

 

『1994年には王太子自身もカミラが自分の人生の「中心的人物」であることを公表した。ダイアナは1995年11月にBBCのインタビューに答えてチャールズ3世との結婚生活について「3人の結婚生活だった」と総括し、またダイアナ自身も元騎兵連隊将校ジェームズ・ヒューイットと5年にわたって不倫していたことを認めた。そして自分はイギリス王妃にはならないことと「人々の心の王妃」になりたいという希望を表明した(→別居生活)』<Wikipedia>

 

3人の結婚生活は、先ほどの天干の3つがそのまま当てはまります。

さて、ダイアナ妃も不倫していたというのは、芸能ニュース並みのびっくりだったのですが、命式では、顕著な浮気は出ていません。

 

「甲」にカミラさんを入れる代わりに、自分を守ってくれる(寄らば大樹の甲)と支合するという形での愛人という位置かなと思います。

逞しくて、強い男性(甲)という意味では「元騎兵連隊将校」というのは、うってつけでしょう。

 

日支(現実の自分)と自分がしっかりつながれば、根のある強い草になりますが、現実の自分(日支乙)と本来の自分(日干乙)のつながりが脆弱になると、日干乙は隣の強い甲に絡みつく形で(ツタ類のように)甲と支合しようとします。

本来の乙未はもっと強い草なので、皇室という環境は息が詰まるような不似合いの異場所だったのかなと思います。

 

そしてこの午未支合は夢やロマンが入るので、現実が悲劇的であればあるほど、この支合にのめり込む可能性が出て来て、支合にも呪縛力はあるので、自分の意志以上に「甲」に引っ張られるというのはありえることです。

 

これまで観てきたところでは、甲に姉が入っている間は、憧れと姉妹関係の強い結びつきでよかったのですが、結婚して辛に夫が入ると、甲には愛人が入り込んで自分を苦しめることになり、それを排除して、自分の頼れる男を入れると今度は捉われるような関係になって葛藤が生まれるのではと思います。

 

甲に苦しめられる結婚後は、ありたい現実とはあまりにも違い過ぎる生活の中で、乖離してしまう現実と、ぎりぎりの接点を持つための自分の肉体とのセッション(過食)を繰り返すようになったのかと・・・

「甲」を精神不安定の大きな原因とすることはできるように思います。

 

また、「乙未」という干支は、肉と食に縁があり、また、健康に気を付ける本性があって、身体への執着も強い干支です。

エステや整体という分野で活躍したり、自然食など健康に関する分野でもよく見かける干支です。

陰土性(未丑)=体食い(面食いに対しての造語)、というのはある程度言えると思います。

 

この宿命においては、日干支そのものにも、過食や性依存の可能性があったように思います。

 

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