さて、算命学の「霊魂」は宗教的に使われる霊魂とは異なって、さまざまな気が集合して成り立っていることがわかりました。
その上に、この霊魂にも陰陽があって、これが人生に大きな影響を与えています。
魂(こん)と魄(はく)です。
一見すると、魄は霊性で前世からの流れを受け継ぎ、徳があって・・・となり、魄のほうが偉そうですが、もちろん陰陽等価値です。男(魂)と女(魄)と同じです。
実際は、「魂」のほうが通常語る霊魂に近く、「魄」の方が人間に近いのです。
魂は一代限りです。これがわかりにくいところですが、遺伝的に検証されていく(輪廻転生する)のは魄のほうってことです。
主役に見える魂は、一代でお役御免です。
これだけでは、何が継承されていくのかわからないし、それは明確に書かれていません。その代わりに、「位」(魂)と「徳」(魄)の違いにそのヒントが出ています。
「位」といっても人間社会の地位ではありません。むしろ正反対な意味を持つ霊魂の次元のことです。
霊魂の位があがるほど、人間社会との関連は薄くなり、地位や名誉は意味を持たなくなります。
具体的にイメージしにくいのですが、人間的な知性でとらえられるものではないところがポイントです。
「感性」なのですが、これも人間的な感性ではなく、人間的理屈を超えた、それこそ、スピリチュアルな感性を養うことが大切ということです。
何か事が起こった時に、嘆き悲しんでいたり、その現実環境の中で一喜一憂していると、神の意志をくみ取ることはできません。
『もし悲しい事があって歎き悲しんでいる時に、神も仏もないのかと天に向かって涙していても、それは人間としての情の世界であって、悲しみの中にいつまでもいると、自然界の真理ひいては神の意志を理解することは不可能なのであります。
その時に起きた悲しい出来事の中身も、何事かを人間に知らしめている神の行為なのであります』(原典算命学第一巻)
出来事の中から、神の意志を知ること、出来事は神が必要があって起こしているのだということを理解することが、魂の感性という意味です。
人間の中にあって、神を意識できる感性が魂の働きです。
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