49辛亥

天頂地支+北方干支です。

 

ここから60干支最後のステージです。天干が北方干支に変わります。

北方干支は、「水行」で壬子~癸亥の12干支。

 

一見すると、全部身強のタフで活動的な干支イメージですが、干と地支の季節に矛盾がなく天干は地支の示す現実に自然体で従うことができることが特徴になります。

 

バランスが良く、性格も片寄らないで、その時々の環境に従いながら静かに人の心の中に浸透できる干支群です。

エネルギーとは裏腹に、それほど情熱的ではなく、自分を見失わない冷静さを持っています。

 

『ある意味では「ズルィ」人だと思う人もあり、利口だと思う人もいるでしょう。しかしそれは人間個人の主観であって、算命学の思考ではありません』


性平(たいら)にして時に抗せず、人心にとけ込み熱することなし

 

これが北方干支に対する高尾先生のお言葉です。

人間の主観と算命学の思考、一緒になっちゃうんですよね。

でも、それはだめと、警告です。

 

 

壬子の子はまだ天頂地支です。

本質を「心」と考え、その役目は、無限に広がる精神の高まりを目指すものです。自分の心の世界を生きて、精神活動や修養したものを後世に伝えます。

 

壬子と癸丑の二干支は、エネルギーとは関係なく、穏やかに人の中で役割を果たせるようになっています。

 

壬子は天干も地支も旺地の水性で、天将星エネルギーで動きます。

日干水の石門星の意味

・裏工作的な政治力や秘密裏の集団などを意味する(政治、宗教)。    
・本質には和を所有するが、善とも悪とも和合する。
・表面に現れない部分に自己の役割がある。
・自分自身は裏に隠れるため、犠牲を伴うことがある。
・教養なきは平和にあって動乱戦乱の口火を切る役割になる。
・家族や身内に真の心を理解されないという、哀しい業を背負っている。

 

旺地の地支1気は、子と卯と酉ですが、卯と酉は天干も陰干で星は客観星です。

この中で、子だけは天干が陽干で地支とは陰陽の自然和合する主観星で成り立っています。

 

壬子に限らず、天将星はすべて主観星ですから、無意識ゆえに自覚のない言動となって、自己認識と他者認識がズレる危険を常に持っています。

 

壬子の場合は、座下が陰陽自我1気ですから、無自覚のうちに、周囲に与える影響が大きくなります。

 

 

人生に波乱多く激動の頭領運となるが、よほど理性を磨かなければ自己意識の強さと独断先行が現われ、他人の才能を消す恐れが生じる』

 

この干支に関しては、天将星だからか、高尾先生も容赦のないお言葉が並びます。

実際はそれほど強烈なわけではなく、ビビリ天将星の一面もあったり、仲間想いのいい人が多いです。

 

 

日干陽干の天将星はこの三干支。

中では玉堂星を本元とする戊午が必要とする理性が与えられているという意味で、安定感がありますが、丙午と壬子は調舒星と石門星1気で理性を養うことの難しさがあり、現実で苦労を経験することが前提になっているように思えます。

 

『加えて神からあたえられた能力が環境破壊につながり、自ら孤独の人生を招く危険性を持っている。知恵は相当にわき出るものであるが、主に世渡りの知恵、生活の知恵となり、自己の想念を社会の通念に置き換えてしまう

 

現実を基盤に生きる天将星というイメージで、「湧き出る」知性と書かれているように、本能的な知力となって、それゆえに、生活の知恵という言葉に置き換えられています。

 

自己の思考のワクをどれだけ取りのぞけるかが生きている間の課題となり、そのワクを越えたときに真の役目発揮を行うことが出来る

 

これが壬子の成功を左右する最大の金言になるのですが・・・

壬癸・石門星のぴったり感は外れない自意識の枠となって、それが自然であるがゆえに、枠という意識を持つことも難しく、この干支を自意識の檻に閉じ込めることになります。

 

『総体的に集団の中心的位置を占めるエネルギーがあり、直感的に社会の動きをとらえるものであるが、衆に先がけて新しい世界、新しい分野を形成出来るエネルギーを持つ

 

これが天将星壬子の与えられた役割です。

「新しい」という部分が独断先行になるか、自分枠を抜け出して社会の中で革新的なエネルギーになるかの分かれ目です。

 

天将星はどの干支でも難しさを背負っているのですが、だから天将星が与えられているという解釈のほうがいいようにも思います。

 

それはすでに継承する霊魂の大変さが前提になっているということでしょう。

 

 

それほど長いリストになりませんでした。

スケールと役割からすると、政治家や宇宙飛行士、スポーツ選手に目が行きます。

 

実際多いのは、創作力を活かした作家や音楽家、石門星別人を演じる俳優というところで、女性が少なく、男性向きの干支なのかなという気はします。

 

波乱の人生はそれぞれにあるように思います。

ともさかりえさんの三度結婚や、山村美紗さんはあれだけのヒット作品を書きながら大きな賞に恵まれなかったり、杉村太蔵さんのように、さまざまな職業を経験しながら、知名度を上げていく人もいたり、それぞれ詳細にみていけば、天将星壬子らしさはあるのかなと思います。

 

難しい(生き難い)干支であることは間違いないでしょう。

 

 

*『 』内はすべて「原典算命学大系」からの引用です。

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