39壬寅
南方地支+西方干支です。
西方干支は『性は剛、質は美なり。大義をもって勇、義なきは蛮勇とする』で、純粋で一本気な性質が役割に入り込み、美を生むか身勝手になるか揺れ動きます。
南方地支は礼を重んじ、自分が身に着けた無形の価値(精神性)を次世代へと伝える役割を果たします。
壬寅+天胡星は直訳すれば、「雄大な春の海が夢を見る」となります。
『活発な行動力と明朗な性情とが同居し、感性の鋭さで直感的な判断と解釈を得手とする』
原典の干支意味、壬寅の冒頭の言葉ですが、この干支の特徴を一行で示しています。
もうひとつこの干支は、本元から上に流れて、「車騎星」で止まります。
60干支でも、この星並びは他では丁丑しかありません。
日支に自我はないので、状況を観ながら禄存星を発揮する、サービス精神旺盛で、人を喜ばす(役立つ)ことが生きがいになったりします。
車騎星で止まるので、内面の闘争心は大きいものがあります。
壬寅「みかけによらずファイター。目先の困難には全力で解決をつけようとする。 雪解けの水。時に氾濫を起こす。そのあふれる力で海外雄飛の運を持つ」
丁丑「性格は温厚ながら、事に望んで激しい闘争心を作り出す。しかし、自分本来の気持ちから沸くものではなく、常に他力的で自分からの闘争ではない」
陰陽のちがいでしょうか、壬寅の方がポジティブ車騎星になっています。
二干支とも、表からはわかりにくいのですが、闘争心がキーワードになっています。
この干支の難しさは、無形の価値を後世に伝えるという南方地支の役割と、寅の現実味と天胡星のぎりぎり現実で踏ん張ているエネルギーとの葛藤みたいなものが貫かれている点でしょう。
『有形の世界に強く、生涯を通じ現実的有形の世界から自己の想念をそらすことが出来ない。それでいて常に無形の精神世界を夢み、 自己を美化する』
この文言も壬寅の難しさを良く語っていると思います。
辰巳天中殺の寅というリアリティーの強さと、壬と天胡星というどこか夢見る収まらないエネルギーと、この不安定さは、最終的には現実有形の世界で、精神性を確立するという特殊領域での能力発揮になるのだと思います。
『技術、芸術の世界においては創意工夫の大なるものがあり、開拓者的素養を持つが、伝統の中に身を置くとその満足を得ることがない』
南方地支の無形を次世代へと導くという働きについては天胡星の役割でしょう。
「夢の中で遊ぶ生・直感的発想の人」という飛翔感が現実に戻ってくるという星業によって、たんなる夢やロマンで終わらせない創作の中に活かされることになります。
点的現実を居場所にする辰巳天中殺グループですが、エネルギーにはしっかりした現実味はありません。
2 6 4 9 5 3 2 6 4 9 ←辰巳天中殺のエネルギーだけ。
9点の天貴星の陰の部分は天胡星です。
干支の役割という意味では、天胡星を能力として使うという部分が重要かなという気がします。
かなり長いリストになりました。
それぞれのジャンルで見ても共通項があまりありません。
三谷幸喜さん、寺内大吉さん、村上春樹さん、大岡信さん、作家の4人をみても、テーマとしても手法としてもずいぶん違うなという気がします。
もちろん壬寅+天胡星だけで人物像ができているわけではないので、違いは当然なのですが、これまで書いてきた干支意味や役割を重ねても、それほどぴったりという感じはしないですね。
統一されたイメージがつかみにくい干支の一つです。
それが天胡星で動く春の海の特徴なのかもしれません。
*『 』内はすべて「原典算命学大系」からの引用です。
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