35戊戌
南方地支+中央干支です。
中央干支は『性は不動、敏速を所有しない。万物を包有し、人間(じんかん)にあって和を保つ』で、落ち着きと安定したバランス感覚を持っています。
南方地支は礼を重んじ、自分が身に着けた無形の価値(精神性)を次世代へと伝える役割を果たします。
戊戌。戊は、まさに「不動で迅速を所有せず」、「落ち着きと安定したバランス」をもっていて、中央干支そのものです。
戊の本質は「固定思考」です。
・逆強に強く、少々のことではギブアップしない。
・頑固は頑固だが、環境への適応力は十分にもっている。
・外からはわからない、自分本位のこだわりがある。
・一見無駄な努力をしているように見えたり、つまらないものを集めたりする。
・自分の枠内思考が特徴。自分の価値観の枠で思考する。
・何事も自分の枠内の価値判断に置き換えてからでないと物事を判断できない。
「戊」の固定思考というのは独特なもので、どの日干戊にも共通なのですが、地支にも戊があると、その傾向が顕著になります。
天干と本元に戊が揃う、戊辰と戊戌がもっとも戊土らしい干支です。
客観性や柔軟性をもってはいるのですが、思考は単純ではなく、戊なりのこだわりと価値基準があって、何事もその枠内で理解して行きます。
そつなく対応しているようでも、どこかで明確な色分けはされていたりします。
戊戌の場合は、その枠はおおむね常識外の独自性をもっていて、むしろ、常識を超えていく思考をします。
『世の中に対して社会的な地位や人格の貴賎を論じることがなく、既成概念にとらわれることがない』
ただ、戊辰も戊戌もダブルの戊は強烈で、よく言えば自分に嘘を付けない正直さですが、外からは自説を曲げないわがままさに見えることもあります。
『常に自己の心に忠実に進もうとする性格が時として変人、奇人的な行動となるが、内面に存在する気質は単純な心である』
構造的には書かれている通り単純に造られているのですが、自我の中身は人の理解を越えている部分があります。
そのあたりは、天庫星の墓内枠の独善が強く出て、能力的には多彩かつ深いものがあって、才能豊かな人を多く輩出しています。
『目下、部下など南方に座す者には温かい情愛をみせるが、目上など北方に対しては理性的な頑固さを発揮する』
南方地支の性向として、次世代を行く後進に対しては、人情味もあり面倒見がよくなります。
そのぶん、目上へのへりくだり感は薄くなります。
目上と言えども是々非々で間違いには向かって行く気概があります。
『特に長たる器に恵まれる要素があり、平和期の守備力と人心の把握には天分の才を所有するものとする』
作家の人が多いですね。どの人も「頑固」「自説を曲げない」というあたりは共通しているように思います。
独自の価値観と世界観は他に類を見ないおもしろさがあって、日支の調舒星vs玉堂星の葛藤構造と、天庫星のマイ世界が才能となって、ユニークな創造力を生み出しているように思います。
女優陣もどっしりとした存在感があって、魅力的な個性派が揃っています。
*『 』内はすべて「原典算命学大系」からの引用です。
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