59・壬戌

 

59・壬戌。一巡する一つ前で現実に立ち返るところで、方向転換します。

最後の現実調整というところで、種の元にこれまでの流れを埋め込む役割です。

 

戌は正直さと誠実さがあって、まじめな12支のひとつです。

派手なタイプは少なく、保守性があって、リーダーより脇役のほうが実力発揮ができます。

子丑の弱点である目上に対しても礼儀を外さないバランス感覚は持っています。

 

また古代の中国では「穀物は未で実り、申で申告し、酉で酒となり、戌で財となる」といわれていて、戌は天性に財運を持つ支となっています。

ただ戌は「焼原」といわれ、地上の草木は枯れ落ちるところで、それ以外の能力は、自分で作らなければならず、完成までに時間のかかるという弱点もあります。

 

これだけだと、異常干支の素質が出てこないのですが、見かけ以上に、自分の考えに対する自信と固執はあって、従順な犬にはなりません。

戊戌のみならず、戌は頑固者が多いです。それも異常にみえるような固執になることもあります。

 

戌の干支のうち3つは異常干支です。

安定している土性では戌だけが異常干支の仲間になっています。

 

戌の干支は本元が特に大事で、これを活かす生き方が求められます。

 

壬戌は車騎星です。一見そう見えないのは、壬水のおおらかさと水の陰に隠れる気質のせいでしょう。

 

『前進力も攻撃力もあるが、理性と情性のバランス感覚にすぐれ中庸を歩むことができる』

 

干支意味ではそれほど車騎星は強調されていませんが、闘争心旺盛で役割意識の強い干支です。

 

天南星+車騎星なら相当怖い人になってもいいのですが、自己表現が前に出ない水の特性は壬戌では特に強く出てきます。本心がわかりにくい。

 

それは強いといわれる天南星にもみられる傾向で、自分に対する誠実さみたいなものがあって、環境に妥協的に適応できないので、天南星干支は純粋ゆえの自己表現の不器用さを抱えています。

 

 

天南星の6干支。不器用で損するのに、わかっていても強気を崩せません。

それでも、水の二干支(50,59)は、内輪の人だけが怖さを知っている^^のかなと思えるくらい、表向きは控えめに見えます。

 

古典では、「監視するイヌ」と称せられて、モノをみる眼が強調されています。
・状況を観察し、報告する役割がある。
・モノを見る眼と臨機応変な対応力がある。
・常に冷静に最適な判断を下す。
・危機管理能力が高く、組織はその恩恵を受ける。
・周囲からも一目置かれ頼られる存在になる。

 

古典の特性は、よく壬戌を表していると思います。

 

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