55・戊午

 

滝藤賢一さんは俳優です。

若年天南星、日支天将星と強いエネルギーをもって、しかも、年干以外はすべて土性(自我)が配置されて、日月には自我と思考の大半会があります。

自分が創造力を使って新しい自分に化けるという大半会は、日常的には活かし難い大仕掛けですが、役者なら最高の位相法になります。

 

一方で外に対しては対冲で現場対応型で心を作ります。

自分の思い通りに生きるという強い意志を持ちながらも、外側では、対冲がその強さを打ち消して、場を読んで立ち位置を決める柔軟性を発揮します。

 

また、天庫星+貫索星+大半会の役者への変身力は役へのこだわりになるでしょう。

 

『役作りでは撮影前から徹底的にイメージトレーニングをするタイプで、呼吸する位置まで決める。それは本番で自分が頼れるものを作るためであるが、作ってきた役にあまり固執はしないという。役作りに対してはストイックな一面を持ち、他の人が演じる主人公の台詞を全て覚えたり、ドラマで末期がん患者の役を演じた際にはゲスト出演にもかかわらず、役作りのために1か月で約10kgの減量をした』というエピソードがwikiに載っていました。

 

 

気グラフの動きは前回みた井上真央さんとほぼ同じです。

最初に自分の死地がきて、強い自我が抑えられるようになっています。

それでも3旬は丑土性なので強い自我のままです。

 

親離れは早く、はじめは映画監督を目指していたようです。やがて、俳優へと方向転換、「害刑破」という散法で無名塾に在籍しながら、舞台に立って俳優の勉強をしています。

この間、バイトをしながらも足りずに、親から仕送りを受けていたようです。

玉堂星に支えられてということでしょう。

 

死地で自我が強く、結実感のない散法の大運でどれだけ鍛えられたかが運命の分岐点になります。

 

運勢の影響は当然ありますが、それが現実を作らないのはこういうことです。

何をやってもまとまらない運勢だから、違う道を目指すこともできます。

害だから耐えられたということもあるでしょう。

運勢をどう使うかは日干で、運勢には日干の動きを決める力はありません。

 

1998年から2007年の10年は「調舒星」という時代です。

最近絶賛学習中^^の「気の連結」によると、宿命には玉堂星→貫索星→(調舒星)という未完の自然の推移があって、調舒星が来ると、陰陽で五行が3つ並ぶことになります。大運に調舒星が来る時が、中央の貫索星の次元が上がる(天の入口に貫索星が近づく)時になります。

 

次元というのは心の作用ですから、その時は現実的な発展はもたらさないのですが、次の大運(2008年~2017年)にその成果がでるという理論があります。

 

壁を乗り越えたり、精神苦を経験したりしながら、玉堂星と貫索星と調舒星が一体となって、無に近づくようになると一つ上のステージ(次元)へと上昇できるというものです

 

20代に自我が一つ上の次元に上って、30代にそれが現実を作るという展開です。

ただこれも運勢が自動的に次元を上げてくれるわけではありません。

 

無名塾時代はレンタルビデオ店、運送会社、居酒屋などでアルバイトをしていたと書かれていました。努力と試練によって、自我の次元が上がっていたと思われます。

次元の話は占技としてあるわけではなくて、考え方として占いに取り入れていくようなものです。

 

2008年の火性の三合会局が最初の現実的な発展期になります。

これも運勢が発展させてくれるわけではなく、前節の大運を耐え忍んできた人が成功を享受できます。

 

・2008年、映画『クライマーズ・ハイ』に出演。当時は全くの無名だったにもかかわらず、ワークショップで面識があった原田眞人監督からオーディションに呼ばれ、合格。新聞記者・神沢周作役での演技が注目を浴びる。

 

・2009年、NHK土曜ドラマ『外事警察』が連続ドラマでの初のレギュラー出演。

それ以降、大河ドラマ『龍馬伝』の小松帯刀役や『踊る大捜査線』シリーズの中国人刑事役、連続テレビ小説『梅ちゃん先生』の食堂の亭主役など、脇役として多数のテレビドラマや映画に出演する。

 

・2013年、TBSテレビの日曜劇場『半沢直樹』で主人公と同期の銀行員・近藤直弼役を演じて、実力派のバイプレーヤーとして認知度を高める。

 

・2014年4月期のテレビ東京系深夜ドラマ『俺のダンディズム』でテレビドラマ初主演。CMも、2014年3月4日からオンエアされたロッテガム「Fit's LINK」が初の単独での広告出演である。

 

同じような運勢の流れだった、井上真央さんととてもよく似た発展期になっています。

運勢の三合会局も井上さんと同じ、火性(玉龍・目上運)+土性(自分自身)が新しいステージを迎えることになるのですが、前節の次元上昇がここでの運勢と一致して活躍したと読み取れます。

 

滝藤さんも井上真央さんもそうですが、戊午の人は、強い自我を感じさせないで、人の好さや信頼できる印象を与えてくれます。

 

天将星は総じておっとりした人に見えるものですが、根は頑固でマイペースに自分を通していく強さを持っています。

末永く活躍できる実力派、戊午の強運力を発揮して、まだまだ大器へと変貌していく可能性があるように思えます。

 

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