52・乙卯

 

天干と地支の干が同じで一つしかありません。

直訳すれば、自分自身をそのまま現実に反映する干支です。

 

日常の中に、あるいは、自分がやった行為の結果に、思い通りにならないことがあると容認できなくて、本能的にそれを是正しようとします。

それが時にわがままにみえることもありますが、忍耐強くやり通します。

 

『時には独断的になるが、人生の歩みは堅実で世渡りは静かな中で巧みさをみせる』

 

それを独断的、わがままに見せないのが天禄星の働きです。

1気貫索星の構図は単純で、乙卯の人間性にもそうした単純さは現れてきます。

 

『心の中は単純な構造だが、表にでるときは柔軟で複雑な行動になり、和合の範囲を広げる。どんな苦難な人生を歩んでも暗さがない。またあっても表には現われない』

 

単純な心の構造と強い自我が表に出るときは、それを感じさせない柔和なイメージとどこか複雑そうな人間性に代わります。

それは日干乙の働きです。

 

乙から生まれる貫索星は、一見、頑固さも強いこだわりもないように見えることが特徴です。
人間的と呼べる部分を多く持っていて、身近な人間関係を大切にし心と心の付き合いを重視します。人間関係だけでなく、物を大切に扱うという傾向もあります。

また保守性が強く、環境を意図的に変えることはあまりしません。環境への適応力、持続力はあって、一見質素を好むようにみられます。
このあたりは、天禄星とぴったりと一致します。

ただ乙+乙ですから自我は強く、欲もあります。それが内向して表からは無欲で淡々とした人にみえるだけです。


乙草の自我は、風に流される草木のように柔軟性に富み、自我を出しているようでいて時には引っ込めてしまい、時と場所に応じながら変わり身を見せます。
それでも、実質的には自我と頑固さは消えることなく表出していることになります。

まさに『静かな中で巧みさをみせる』人です。

似たような傾向は干支意味でも語られています。

『何事に対しても出発は受身の形をとりながら、徐々に相当の自我と頑固さを発揮して、最後を締めくくるときは中心にいるような形をとる』

春盛りの草ですが、ゆっくりマイペースに成長します。


『堅実な努力型。若いときは目立たないが三十代四十代から頭角を現し、晩年までにその成果を表す』

 

晩成型ですが、晩年に至る手前あたりで大きな苦難を経験することもあります。

見かけ以上に強くて、たくましい干支です。

 

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