39・壬寅

 

三谷幸喜さんは劇作家、脚本家、演出家、コメディアン、俳優、映画監督。
劇団「東京サンシャインボーイズ」主宰。

 

少々古いですが2011年のツイッターに次のような投稿をしています。

 

『最近、気分転換に観ているDVDは「名探偵モンク」。いつだって挙動不審なモンクは驚くほど僕に似ている。心配性なところも、神経質な性格も、尖端を見ると触りたくなる癖も。モンクには鋭い推理力があるから許せるけど、僕にはない。こっちはただの、はた迷惑なおっさん。ちょっと哀しいね』

 

『「名探偵モンク」-強迫性障害を患う私立探偵エイドリアン・モンクが事件を解決していくアメリカのミステリー・コメディドラマ』

 

前回書いた、天剋地冲や連唐干支にもそうした要因はあるのでしょうが、月干と月支にある乙・調舒星がもっともその傾向を強く持っています。

中でも日干水性の調舒星は特別が際立つようになっています。

 

日干が生む星の意味には木性基準の通常の星の意味とは別に、神言五行(神の世界の五行)別という星の解釈があります。

 

正式には容核如意輪干星とよばれているもので、表からは見えにくい星の本質的傾向が語られています。

 

調舒星は南(火性)の星です。一方で日干水性は北の干です。

そこで神界水性と現実界火性(調舒星)の間にはぶつかる関係が成立します。

 

この剋線関係によって、本来外に向って表現されるエネルギーは方向を変えて内向することになります。

 

『鋭い感性が内側に出て来ると、自己の心が非常に傷つきやすく、ささいな事柄でも自分に関係する事象は、自己の心の中で大きくゆれ動くことになるのです。これは見方によっては小心者に見えたり、度胸の無い人間にみえるわけですが、 それは外面的なもので情愛深い人間性を所有するものであります』

 

これは調舒星火性の力が神界水性によって抑え込まれてしまうためです。

 

「自分に関係する事象は、自己の心の中で大きくゆれ動く」という部分、wikiには次のような記述がありました。

 

『インターネットは自作に否定的な意見を目にし、創作力を減退させるという理由からほとんど見ない』

 

この抑え込まれた調舒星は独自の表現形態を生みます。

調舒星がもっている感性や伝達力なとが凝縮されるという現象が起こって、要約された言葉の中に多くの心情を込めることができるようになります。

 

三谷さんのセリフという短い言葉の中には、凝縮された複雑な感情が表現されることになって、それが行間のおもしろさ、会話の妙味になっているのでしょう。

 

瞬間的に働く感性は、ある面では直感的、霊的感性となって現われる場合もあるといいます。天才、奇才といわれる所以です。

通常なら10分かかる表現内容を1分に凝縮できる能力です。

 

これによって調舒星のもっている孤独感などの諸感情も圧縮されることになります。

体も意識も圧迫されているために、『すべてに関して 「堅く」 なっている』と書かれています。

 

この無意識に生じる「堅さ」は回りを寄せ付けない状態を作り、結果的にそれが自分を孤独に追い込むことになります。

通常の調舒星のように、孤独な自分だけの世界を持つという馴染み方はできません。

「結果的になっていく孤独」は自分自身も持て余すことになるでしょう。

 

wikiには、神経質で、友人や親族が訪ねてきても家の中にはいれず、玄関先で話をする、というエピソードが載っていました。

ひとつの「堅さ」の現れでしょう。

 

こうしたことが変人的な要素として語られることになるのでしょうが、本人もわけがわからないところがあるのだと思います。

 

 

日干でこの形を持つのは、壬辰と癸亥の二つです。

 

癸亥は芸能人も多く、天将星で動くので明るく陽気に見えますが、内的葛藤はあるはずで、自分だけの世界は持っているでしょう。

 

壬辰のほうが直下調舒星なので強く出そうですが、見かけしっかりしているので外からはみえにくいです。

非干支では右の3パターンで、三谷さんは天干+壬ー未の形です。

 

この、容核如意輪干星というのは、神界ゆえに現実社会では相容れない性向を持っていて、それは日干の隠れた部分に潜んでいます。

算命学を心理学的にも使えますし、星の裏側がみえてきて新しい発見もあります。

 

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