天極星干支の中で、暗合を持ちながら、唯一異常干支ではない甲午。

一つは暗合しても地支の干(己)が変化しないので、異次元に行くことはない(60干支の範囲内で変化する)ことと、司禄星という現実安定干に調舒星が流れることにある。

 

 

異常干支になる暗合(天干と地支蔵干の干合)には、地支の己庚は含まれていない。

日干だけ変化する分には、60干支内の変化で現実時間内の動きになる。

もし甲午で、甲己が暗合して、甲が戊になったとしても、己が変わらなければ戊午となって31番が55番になり、現実内変化ですむ。

 

例えば、18番が丙辛で暗合変化したとすると、地支巳は戊庚壬となって、夏の干支に水が入ることになり、この世の時間外の干支になり、異次元へと迷い込む。

瞬間なら直観力になるが、戻れないと、「私は誰」「ここはどこ」になってしまう。

そういうことが起こらないように、自分より強い庚を丙のそばに配置して、ブロックしている意味がある。

 

その意味では、23・丙戌と30・癸巳は直下暗合でリスクが大きいが、丙戌では辛を現実の小さい自分(丁)が激剋して直暗合変化を制御しているようにみえる。

 

前回みた癸巳は暗合変化という意味では、もっとも危険が大きい干支になる。

救いは戊を揺るぎない庚へと向かわせることで(戊→庚)安定を得るので、知力の発揮、母(目上の支え)が明暗を分ける。

 

干支というのは本当によくできていると感じる。

 

甲午-己丁 で調舒星が支えになる危うさは、上の己(司禄星)へ流れることで間接的に安定土性が助けになる。

 

この形は土性(現実)が助けてくれるというのではなく、「日常現実」の中で感性を活かすことが大切(調舒星→司禄星)。現実を現実だけで作るのではなく、という意味が加わる。

 

『現実面には弱く、精神的なものを求める願望が強く、奉仕的な世界に身を置くようになる。自分の精神世界が確立したあとで、現実欲が生まれてくる』

 

奉仕的かどうかは言い切れないが、天極星エネルギーで動くので、現実だけを視野に入れて生きることはできない。

 

同時に、天極星は環境の影響で方向が決まってくるので、精神世界だけで生きることもできない。

また、輪廻転生的な何かが現実環境の中に含まれている可能性は常にある。

 

このあたりは、古典の甲午の言葉に良く表れている。

古典の甲午は「雲の上のウマ」と呼ばれている。

 

・理想と現実の違いが、雲の上のウマの所以。

・想像力と芸術的な才能に恵まれている。
・野心もあるが、やや現実離れしている。
・地に足を付けていても、おもいはどこか空を飛んでいる。
・想像力を活かせれば、技芸の世界や、発明発見の才となる。

 

このあたりに留意して、甲午の人を観て行くことにする。

 

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