23・丙戌。
流れをみると、すべての「戌」は既存の方向を変える働きをしていることがわかる。
矢印も相生相剋も異なっている。
それを天庫星エネルギーでやるのが丙戌の役割。
青色は精神星、赤色は現実星という色分けをしている。
日干戌の蔵干は精神と現実、主観と客観が混在しているのが特徴。
陽土性(辰・戌)の一部にしか見られない特性だが、見かけ以上に複雑な思考と感性を持つことになる。
算命学では、申酉天中殺の代表が甲戌・乙亥の日座という言い方をするが、それは西欠落にこだわった見方で、日座天中殺は12支・戌亥の代表で、日居天中殺は12支・辰巳の代表とするほうが見えてくるものがある。
12支というのは現実を作る精神エネルギーに変換される(十二大従星)。
私見では戌亥は新しい現実空間を作るエネルギーで、辰巳は新しい精神空間を作るエネルギーと考えている。
既存に対しては、どこかでアンチテーゼとなるために低エネルギーの戌・三干支は異常干支になっている。
戌は「中元の丁」が要。ここだけを取り上げてみても、干支の個性が見えてくる。
甲戌は気持ちに忠実に生きる。赤子の心を保持したまま生きられる環境を作る。
丙戌は現実の自分に忠実に生きる。常に現実を逸脱しない範囲で思考する。
戊戌は自分の考えに忠実に生きる。葛藤の中で自分勝手に現実を創造していく。
庚戌は役割に忠実に生きる。自分(庚)が満たされるよりも丁を満たす世界を作る。
壬戌は現実に忠実な考えで生きる。私心なくそのために知性を活かせる世界を作る。
中元と上元の関係で丁に忠実に辛を変革するという陰占構造を言葉にしてみた。
これに本元を加えればもう少し具体的になってくるが、中元上元は主観星から成っていることを重視する。
主観星は無意識に発動するので、陽土性支はこの部分が大事かなと思う。
丙戌と戊戌は異常干支で、同じように「頭が良いと異常性が出て悪いと安全」という説明がある。
『王侯貴族的な知的階級の暮らしはしないほうがよく、ざっくばらんな暮らし方をして欲しいのです』
『「私は学者です」とか「大学教授です」とかいう人が丙戌とか戊戌とかだったらおかしいと思ってください』
これもあんまりないい方だと思うが、本意は、戌の知性は現実がベースなっていて、机上の空論に偏ると、既存現実から見ると、逸脱した変な人になってしまうということだと思う。
戌と亥という干支は、その意味では現実を離れることが難しく、というよりは、現実を変革するためのエネルギーという位置づけがいいように思う。
そのために、現実を離れた学問を身につけると「おかしい」と思われるということで、戌の働きをベースに考えるとうなづけるところだが、実のところ戌亥の人は、そういわなくても、自然に現実ベースの思考をしている。
それでもちょっと変と思われることもあって、それは異常干支とはまた別の要因だろうと思う。
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