甲申は十二支区分では中盤から後半に向かうところに位置する。
これまでは天干が二つ先行して現実がそれを追いかける形だった、天干は甲の位置に戻ったところで、12支は夏が終わり秋の始めの収穫期に入っている。
甲ー1 申ー9 精神の先行という形をとれば、4つの差が急についたことになる。
甲は精神の始まり、3度目の甲という位置では甲子、甲戌の甲とは異なる次元でのスタートになる。
一方で申は『申は呻く(うめく)。何か締め付けられるような感覚で、固まっていく状態。成熟した果実が収縮して種子を形作るところ』
また一説では、申す(申告する)が由来で、夏に収穫を終えた農家が収穫量を報告するという意味もあり、いずれにしろ成長を終えて、種作りのための成熟期となる。
甲申は、天干はこれから勢い良く伸びようとする樹木の芽であり、地支の時間は成長を終えたところにあって、最大の矛盾をもった干支になる。
精神と現実が別々に機能することになり、日干が形あるリアルな現実を作るという人生は想定されていない。
甲申の干支構造的な特徴は、春秋という現実質を持ちながら精神と現実が正反対に位置して、しかも、精神と現実(支の本元)が激剋関係で自分で現実を形作らないようになっているところにあり、この形は60干支の中でも6つしかない。
本元はすべて車騎星か禄存星の激剋星になり、精神と現実が反対の季節にあって、精神が思い通りの現実を作れないという特殊性がある。
甲戌と甲辰は土性という安定感をもっているために、エネルギーは現実エネルギーを与えられているが、日座天中殺と日居天中殺という、既存空間では現実を作りにくい特殊干支になっている。
他の四つの干支は、土性を含まずに、安定現実を作る干支ではないために、4干支ともに宇宙エネルギーが与えられている。
甲申もこのグループに属し、これまでの申酉グループに属するこの干支群の中では、異質な生き方になると思われる。
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