算命学では生まれた日によって、12支の中で表に出る星が決まってくる。
あなたの星は、という時には12支の中の一つの星が語られる。
ただ12支の中の1干~3干の気は、その入れ物の中で相生相剋の原理が働いている。
未の中には、丁乙己の3つの干があるが、丁←乙→剋己という流れを作っている。
これを星にすると、日干の違いによって乙に入る星はみんな違ってくる。共通しているのはすべて客観星であること。
乙に入る星が干支の働きにも大きな影響を与えている。乙の星をどう使うかによって、人生が変わってくるといってもいいだろう。
癸未なら、中心の鳳閣星が禄存星へ流れ、本元の車騎星を激剋する。これだけでは何が起こっているのかわからないが、ここでも二連変化を使うと、未の中で作られる世界の一端がわかる。
『表現は穏やかで当たりの良い人だが、内には激しい闘志を秘めている。純粋で打算のない単純な人』
上下にある車騎星禄存星という激剋星は闘争心、奉仕という言葉で翻訳され、干支意味にもそのあたりが強調されている。
ただ間にはさむ鳳閣星次第によって、干支意味とは異なる人間ができあがる。
「単純」ではない別人格ができあがる。
鳳閣星は車騎星の闘争心をやわらげ気負いを薄め、禄存星の自己顕示を相手本位のサービス精神に変える。
天庫星のこだわりは鳳閣星が向かう関心を現実とは乖離した実感稼働を実現させる。
癸未は鳳閣星が実感したい現実体験をとことん探求する。
天庫星で動く鳳閣星は概ね生存本能を実体験する形が生きることの中核になる可能性がある。
プリミティブな本能(性欲や食欲)は鳳閣星の嗜好と一致する。
癸未の干支意味には『晩年まで異性問題が付いて回る。結婚後は要注意』、言い伝え的に『座下に愛人を置く』と書かれている。
特別に異性問題が俎上に上がっているのは、本元己が偏配偶者干であるだけでなく、全部客観性で、主観的に満たされるものがないうえに、鳳閣星の本能探求が異性へと向かわせるという干支構造から生まれたものだろう。
単なる古典的言い伝えでは済まない内容を含んでいる。
もちろん鳳閣星の関心はそこだけではなく、常に目の前の関心事を掘り下げることで、深い一芸をいくつも持てる、博学博識でなおかつスペシャリストという特異な専門家を排出することにも一役買っている。
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