山田洋次さんは映画監督。『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』という二つの国民的ヒットシリーズや『幸福の黄色いハンカチ』『家族』『同胞』といった作品を手掛けている。
『一般人や社会の逸れ者のささやかな日常生活に潜む喜びと哀しみを丹念に描く。演出においては、「主役、脇役含めて全体として一体となった、わざとくささのない自然な演技」を要求するという』
宿命は日年の律音。仕事と自分が一致。自分の力がそのまま反映できる仕事向き。
自分に誠実に仕事をする。アフターファイブを楽しむような人生にはならない。
また日年の一致は大きな変化は好まない。男はつらいよのように、シリーズ化するような作品に良さが出る。
未の支は真ん中の乙が主役。表に出ている車騎星には禄存星が流れ本元の龍高星も禄存星が入り込む。
貫索星の自我は強いが、3方を車騎星に囲まれて、自我は形を変える。自己主張する自我ではなく役割に忠実な自分になる。
車騎星と禄存星が合体すると、庶民性が表れて、堅苦しい礼儀礼節を嫌うようになる。そして車騎星と貫索星という天干の役割二連は、一本気な正直さと私心なきリーダーシップを発揮する。
庶民性、礼儀をもたない、正直で一本気、人助けの精神、宿命の星の特徴を並べて行くと、『男はつらいよ』の寅さんのイメージと似ていることに気が付く。
山田洋次監督の辛未としての役割は、素朴さと自然さを次世代の人間の種に込めることではないかと想像できる。映画の主人公にその思いを託す。
TVシリーズの『男はつらいよ』最終回で、主人公を殺してしまったため、ファンから大量の苦情が来たというエピソードがある。
その時に山田監督は次のように答えている。
『テレビで殺したのは、こんな人は、この社会では生きていてはいけないんだ。生きられないんだ』と語った。
当時は顰蹙をかった発言になったがこれが辛未の思いだろう。
逆説としてとらえれば、寅さんのような人が生きられる社会にすべきだ、そういいたかったのかなと思える。
そうした願いを込めて、テレビの後に映画化されたわけだが、スタートは低迷したものの徐々に人気が出て、寅さんは誰もに愛されるキャラクターとして、現代を生きる人々の心に浸透して行った。
現代人が失いつつある、自然に自分に正直に生きることを次世代を生きる人の種に埋め込もうとしているように思えてくる。
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