辛未は乙丑と同じ天堂星だが、変化・改革という働きがある分、本元が龍高星になり、その龍高星は上の乙禄存星に激剋されている。
単に独自の考えではなく、禄存星が引き込んだ現実命題に対して発動する龍高星が本元にある。
未の中では表に他の星が出ていても「乙(禄存星)」がキーになる。
禄存星は若い時はコメントにあるように「自己顕示欲」からスタートすることになるが、年齢と共に自我が削がれていくので、本領発揮は人生後半。
人を意識してそれが目的になって行く。
禄存星というと「お金」が連想されるが、本来は「人」を連想する。
辛未の種作りのためによいものを残すという役割(仮説)は、禄存星を使うことで果たすといってもいいだろう。
禄存星が晩成型になるのは、若い時はどうしても自己顕示欲が入るため。
それは悪いことではなく、引力を発揮するための、撒き餌のようなもの。
自分を認めて欲しいという潜在願望が人の注目を引くような言動になる。それは人を喜ばせることへと変化して行く。
車騎星禄存星も禄存星龍高星も持続的な統一感はない。目の前の今に反応する。
迅速な行動力と頭の回転の早さ、カンの良さのようなものが備わっている。
反面、日支に車騎星禄存星があったら、平穏な個人的幸福には縁が薄いと思ったほうがいいだろう。安定家庭には向かない。
結婚すると直下「丁」に夫が入り人助けが夫助けにすり替わり、それはそれでできないことではないが、結婚生活では努力が報われ難いという苦しみを乗り越える忍耐が必要になる。
日支の剋線二つは、自分の幸福を考えない所に活路がある。
そしてエネルギーは天堂星。これもまた自分が前に出て成功するエネルギーではない。星のもつ激しさと勢いを天堂星が抑制する意味がある。
『理性に支えられた堅実さを持ち、社会においても逸脱の行為が少ない』
年支のエネルギーにもよるが、天堂星をもつ干支は同世代との盛り上がり感には欠けて、『幼少期は気弱で引っ込み思案なので、両親のリードが大切。素直だが自分の意志をうまく伝えられない』という傾向がでることがある。
抑止力の副作用もあるが、人生後半、天堂星のもつ理性が私心ない人助けのために3つの星を完全燃焼させるようになると、辛未は役割を果たす干支に変身する。
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